さて、2016年も暮れてまいりました。毎年恒例のベスト10の発表をしたいと思います。(ちなみに昨年はコレ)
毎年のことですが、基本的に★5〜4.5をつけた作品を中心に、改めてベスト10を組みたいと思います。なので、評価的には下の作品でも、ランキングでは上位に来ることもありますのでご了承を。今年は、205本の映画(うち、リバイバル上映作が3作品なので、対象は202作品)に出会うことができました。夏から本業がフリーランスとなったこともあり、お金はないけど(笑)、時間の自由は効くようになり、昨年(153本)よりも多くの作品を見ることができました。10月後半から11月にかけては久しぶりにTOHOシネマズの一ヶ月フリーパスを頂き、秋公開の映画の多くを見ることができたのも、大きく本数を稼げた理由かと思います。本当にありがとうございます。
毎度のことですが、特に年始付近に観た作品は、映画誌等では2015年公開になっているものもあるかもしれませんが、あくまで僕自身が2016年時に観た作品という中で評価しております。
それでは、今年は洋画編からスタートしたいと思います。
1位 サウルの息子
人がまさに動物のように扱われる強制収容所。死が当たり前のように蔓延する空間の中で、人が人たらしめることは何なのかを問う傑作です。決して観て気持ちがよくなる類の作品ではありませんが、強烈な印象を残すラストといい、ここ数年にはないような強烈な作品だと思います。文句なしの今年No.1でしょう。
2位 オデッセイ
大ベストセラー小説の映画化作品。原作ファンの立場からいうと、サバイブミッションがだいぶ省略化されているのは残念なのですが、それ以上に壮大な宇宙空間の中で生き残りと、救出にかける人々の想いが熱く描かれる。「アポロ13」以来のサイエンティフィック(科学的な)宇宙映画というのも、僕の好きなツボを刺激する作品。リドリー・スコット監督の年齢を感じない若々しいメガホンにも注目です。
3位 すれ違いのダイアリーズ
ラブ・ロマンスながら、男女が出会うのは本当に最後の最後という設定。これでラブ・ロマンス映画なのかと言われそうなのですが、2人の主人公エーンとソーンがそれぞれに教師という職業に真正面からぶつかっているからこそ、時も、距離も離れた2人が恋しているということが成立させてしまうのです。子どもたちの屈託ない笑顔に見ているコチラもほっこりさせられ、タイの水辺の美しい風景もスクリーンによく映える秀作です。
公開が昨年12月末なので、正式には2015年公開作なのでしょうが、僕は公開終了ギリギリに見たのでランクイン。もう、なんていうんですかね。”男の中の男”のお話(笑)。特に、引退した後のロッキーと、アポロの息子の2人の師弟愛に胸熱になること請け合い。ラストの試合場面なんて、全身の鳥肌が立ってしまいます。もう、なんで、スタローンがアカデミーを取れなかったのかが未だに不満です。。
5位 最愛の子
子どもの誘拐事件で引き裂かれた2つの愛を描く作品。「罪を憎んで、人を憎まず」という言葉がありますが、本作では、この誘拐事件という1つの罪に、被害者側はもちろんのこと、加害者側も、そして当の誘拐された子どもの愛をも引き裂いてしまう悲しい様を描いていく。それ以外にも、事件に関わる様々な人たちの心模様の変遷も見事に描いていく傑作です。
「ローマの休日」になぞらえるようなお話しながら、戦争直後の暗い影と、人々の強く生きる姿が、一人の女性を大人にさせていく。本作も、ラストの軽やかな終演の方法が秀逸で、「ローマの休日」のそれよりも、僕はこちらのほうが上と感じるかも。序盤はコメディ調に楽しく見ることができるのも、成功しているポイントだと思います。
現代民主社会において重要なのは、誰しもが幸せに生きる権利を守ること。人種、信教・信条、国籍、年齢、病気・障害、、、、様々な違いを乗り越え、自由・平等の終結点がLGBTなんだと僕は思います。人がおしなべて違いがないなんて、そんな世界は面白くも楽しくもない。いろんな人たちが幸せにどう生きていくか、これが21世紀の僕たちが叶える課題だと教えられる映画です。
なんだかんでで今日までに都合3回観ました(笑)。「ハリー・ポッター」シリーズは子ども向けで全作は見たものの、あまりしっくりこなかったのですが、本作はとにかく楽しい。1920年代のNYという時代設定も上手く効いていて、ジェイコブの恋物語はまるでクラシック映画のような美しさを感じます。トランクの中の魔法動物たちが3Dで飛び出してくるのも楽しいし、これはスクリーンで観るべき作品! 大人の鑑賞に耐えられるというところも、高評価なポイントです。
ベスト10の中で一番美しさが光る作品。衣装、美術、ロケーションの美しさはもちろんのこと、カメラの構図にまで含めて、計算された美しさに見ているコチラが惚れ惚れとしてしまうほど。しかし、その美しい舞台に描かれるのは、人間の根底に潜んでいる残虐性。それがリアルなお伽噺として描かれることで、観ている側の心を鷲掴みにされます。少し高尚なのが難ですが、観て損はない作品だと思います。
これもファンタビと同じく、現段階までで3回観ました。ただ、ファンタビと違うのは、2回目で観たときから、やや前半部の説明が冗長かなということを少し思ってしまうこと。それでもラストのスカリフでの戦闘に向け、怒涛の如く描ききってしまう様は見事の一言。”希望があるからこそ、戦える”というジンの言葉は、そのままEP4の「新たなる希望」へとつながっていくと思うだけで、やはりファンにとっては胸熱なのです(笑)。3Dで観るデス・スターや、タイファイターも美しいの一言。ギャレス・エドワーズ監督のオタクっぷりが作品を光らせる要素になっています。
と、洋画ベスト10を発表しました。昨年のランキングと見比べると、ハリウッド大作が結構ランクインしているということ。それだけ今年の映画は当たり年だったといえるかもしれません。
さて、次回は同じく2016年劇場鑑賞映画ベスト10【邦画編】です。