『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』:単なる映画版だけに留まらない面白さがある!

ローカル路線バス乗り継ぎの旅

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」を 観ました。

評価:★★★☆

出演者が自らお題を元に旅程を決めながら、路線バスのみを乗り継いで行く旅を描くテレビ東京系の人気バライティー番組の劇場版。テレビものの劇場版というのは珍しくもないのですが、本作はドラマの劇場版ではなく、バライティの劇場版。。映画にする意味があるのか、、という声も聞こえてきそうですが、観てみるやドキュメンタリーとしては結構レベルの高い作品に仕立てていて、少々ビックリしました。出演はテレビ番組版ではお馴染みの、太川陽介と自由な蛭子能収の凸凹コンビ。これにゲスト出演として、三船美佳が参加しています。

今回の旅の舞台は日本ではなく、日本からの旅先としても人気があるお隣の国・台湾。まず、この映画版で成功しているなと思うのは、このバス王国・台湾を舞台にしたことでしょう。スクリーンいっぱいに見ることができる、台湾の素晴らしい街並みが何だかすごくいいのです。これは例えば、日本での各都市だったら映えなったことでしょう。異国の台湾だからこそ、寺院や近代都市としての一面、そして日本占領下から残る古き街並みが、旅映画のしての味わいもじっくり楽しめる。ただ、テレビドラマの最終回やスピンオフを映画館で上映するだけの劇場版より、本作のほうが映画としての味がしっかりとスクリーンで楽しめることができるのです。

それにバライティとしての面白さも折り紙つき。特に、蛭子能収の素のキャラクターがいいんです。眠い時は寝る、嫌なことは嫌という、しょうがないことはすぐ諦める。テレビだから飾るということはなく、ここまで素を見せて許されるキャラクターというのも日本では稀有じゃないかと思います。その蛭子さんの面白さはテレビ同様に本作でも爆発。太川さんとのコンビでうまくバランスを取れているのです。三船美佳というゲストキャラクターも絶妙。台湾はかつて日本占領国でしたが、そうした負の歴史がありながらも、親日国として今も関係が続いている隣国でもあるのです。三船美佳のお父さんはあの三船敏郎。映画の中でも、そのお父さんのキャラクターが台湾の人との交流に使えられている面があって、いい旅の効果を上げているのです。これも映画版としてのいいエッセンスとなっているのです。

今までのテレビファンだけではなく、初めて見る人にも楽しめる劇場作品になっています。

次回レビュー予定は、「バーバリアンズ セルビアの若きまなざし」です。

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