『永遠のジャンゴ』:伝説となったジャズギタリストの隠された反戦記。私たちの知らない歴史の一面を垣間見れる貴重な作品!

永遠のジャンゴ

「永遠のジャンゴ」を観ました。

評価:★★★

1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。ホールを連日満員にしていたジプシー出身のジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルト。パリでもっとも華やかなミュージックホール、フォリー・ベルジェールに出演、その華麗なパフォーマンスで満員の観客を沸かせていた。彼の人気に目をつけたナチスは、彼をプロパガンダに利用しようと、ドイツ・ベルリンでの公演を画策する。その公演にはナチスの宣伝相のゲッペルスや、ヒトラー総統も来るかもしれないという。自分がプロパガンダに利用されることを意に介せないジャンゴは、「俺たちはジプシーとして、俺たちの音楽を演奏するまでさ」とうそぶくが、ドイツ軍の動きに精通している恋人のルイーズから、フランスの国内外でジプシーたちが迫害を受けていることを知らされるのだった。。ジプシーの血を引く伝説的ジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの真実に迫る人間ドラマ。「大統領の料理人」「チャップリンからの贈り物」の脚本家エチエンヌ・コマールの監督デビュー作となります。

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『あさがくるまえに』:ある1人の青年と音楽家で繋がれる命のリレー。日常のある1日をすごくドラマティックに描く医療ドラマの秀作!

あさがくるまえに

「あさがくるまえに」を観ました。

評価:★★★★★

大西洋に面したフランス北西部の都市ル・アーヴル。夜明け前、彼女がまだまどろみの中にいる間、シモンはそっとベッドを抜け出し、友人たちとサーフィンに出かけた。しかし彼が再び帰ってくることはなかった。帰路、交通事故に巻きこまれたのだ。その報せを受け、脳死の判定を聞かされた両親は、現実を受け止められずにいた。シモンが蘇生する可能性は低く、両親は医師から、移植を待つ患者のために臓器の提供を求められる。だが、その時間的猶予は限られていた。一方、パリ。音楽家のクレールは、自分の心臓が末期的症状であることを自覚していた。生き延びるための唯一の選択肢は、心臓移植。しかし彼女は、他人の命と引き換えに若くない自分が延命する意味を自問自答している。そんな時、担当医からドナーが見つかったという連絡が入るのだが。。心臓移植という現実に直面したドナーの家族や恋人、医師たちの葛藤を、1日の物語として繊細なタッチで綴る。フランス映画界期待の新鋭カテル・キレヴェレが、数々の文学賞に輝いたメイリス・ド・ケランガルのベストセラー小説を映画化したヒューマンドラマ。

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『あなたの旅立ち、綴ります』:ビジネスで成功を収めた女性が依頼する生きている間の訃報記事作成。役者の演技には上手さを感じるが、お話が結構ボヤケたイメージしか残さない。。

あなたの旅立ち、綴ります

「あなたの旅立ち、綴ります」を観ました。

評価:★☆

ビジネスで成功を収めた老婦人ハリエットは、引退した今の生活に何の不満もなく生きてきた。いや、むしろ何もなさすぎて、雇っている家政婦や庭師の仕事ぶりを細かくチェックしては、彼らの仕事を奪ってしまうくらいに何もない生活だった。そんなある日、新聞を眺めていたら、ある訃報記事に目を留める。そこに書かれている文章を読むうちに、生きているうちに自らの訃報記事を書かせるという突拍子もないアイディアを思いつく。早速、地元新聞の訃報記事専門記者アンに書かせることに。最初は嫌々ながらも、上司の命令で仕方なく記事のために取材を始めるアンだったが、ビジネスでも独善的だったハリエットを良く言う者はおらず、記事作成は難航を極めることになる。そのことを知ったハリエットは、最高の訃報記事になるように自分を変えると決心するのだが。。S・マクレーンとA・セイフライドがプロデュースも務めた人間ドラマ。監督は「プロフェシー」のマーク・ペリントン。

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『アバウト・レイ 16歳の決断』:女性の身体に生まれながらも男性として生きることを決断した青年と家族の物語。映画のテーマであるLGBTや多様性のことについて、深く考えさせられる秀作!

アバウト・レイ 16歳の決断

「アバウト・レイ 16歳の決断」を観ました。

評価:★★★★☆

女性の身体に生まれながらも男性としての性意識がある16歳のレイは、心身ともに男の子として生きることを決断する。母親マギーは医師が差し出すホルモン治療など見慣れない資料に呆然とし、動揺を隠せない。一方、レズビアンであることをすでにカミングアウトし、最愛のパートナーとの暮らしを謳歌している祖母のドリーは、レイの新しい人生への一歩を密かに応援していた。レイは髪を短く切り、トレーニングをして、本来の姿を手に入れようと努力する。そんなレイの成長を見つめていたマギーは意を決し、治療の同意書のサインをもらうため、別れた夫クレイグに久しぶりに会いに行く。しかし、困惑する元夫は賛成してくれない。見かねたレイは、マギーに黙って父を訪ねていくと、そこでまさかの家族の秘密を知るのだが。。監督は、「チューブ・テイルズ/ローズバッド」のゲイビー・デラル。

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『祈りの幕が下りる時』:東野圭吾原作のTVシリーズ完結劇場版。2時間ドラマくらいのレベルかと思いきや、重厚感ある物語に脱帽した!

祈りの幕が下りる時

「祈りの幕が下りる時」を観ました。

評価:★★★☆

東京都葛飾区小菅にある古いアパートで、1人の謎の焼死体が発見される。被害者は、滋賀在住でハウスクリーニングの会社に務める押谷道子であり、焼かれる前に絞殺されていたことが判明する。殺害現場であるアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっており、道子との接点もないまま、松宮たち警視庁・捜査一課の捜査も難航する。やがて、道子は同級生だった演出家・浅居博美を訪ねようと上京していたことが分かるが、博美も越川との接点はなかった。そんな中、松宮は事件現場であるアパートのすぐ近くで起こっていた、ホームレスの焼死体との関連を疑っていた。不可解な点が多く捜査が難航する中、ホームレスの遺品の中に、日本橋署刑事・加賀の亡母と繋がるものが見つかるのだった。。連続ドラマから始まった東野圭吾原作『新参者』シリーズの完結編。『下町ロケット』や『半沢直樹』など数多くのドラマを手がける福澤克雄が、第48回吉川英治文学賞を受賞した東野圭吾の同名ミステリーを映像化した作品。

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