2018年劇場鑑賞映画ベスト10【邦画偏】

それでは洋画編に引き続き、邦画のほうのベスト10も。

1位:さよならの朝に約束の花をかざろう

2018年の邦画1位はアニメで。10代半ばで成長が止まり、数百年生き続けるイオルフの民と、人間との関わりを描いたファンタジー作品。「心が叫びたがってるんだ」の脚本家の方が取り組まれていることもあってか、本当に切ない物語だし、ファンタジー作品らしい物語力もあって、ググッと引き込まれる作品でした。

2位:空飛ぶタイヤ

実際に起こったタイヤ脱輪事件を素材とした池井戸潤の小説(小説自体はフィクション)を原作とした、パワフルな社会派作品。TVでも一度ドラマ化されましたが、映画ではまた違う力強さが加わって、(展開を知っている人も)飽きさせない作品に仕上がっています。

3位:ミッドナイト・バス

深夜バスの運転手と、その家族にまつわる物語。バスって、新幹線や飛行機と違い、ゆっくりと、しかし確実に目的地に近づいていく様が、バラバラだった家族が再び再生していく姿にオーバーラップしてくるジワジワと来る感動作。

4位:パンとバスと2度目のハツコイ

3位に続いて、バスが登場ですが、こちらは大きく作品には絡んでこない。昔の恋をこじらせた女と、別れて出てった妻を忘れられない男のはかなくも、おかしく、切ない恋のお話。ラスト近くの変な一夜が作品的には見ものかも。小品だけど、個人的には好き!

5位:万引き家族

ご存知、是枝監督のカンヌ受賞作。2018年他界された樹木希林さんの迫力もいかんせんながら、やっぱり安藤サクラが全て持っていくあたりが凄いと思わせます。作品のテーマとしては昨今話題な疑似家族だけど、是枝監督はずっとこのテーマを普遍的に描いてきたんですけどね。

6位:カメラを止めるな!

こちらも【洋画編】で取り上げた「ボヘミアン・ラプソディ」と同様に、新しい映画のヒットの形を見せてくれた、ジャパニーズ・ドリーム的インディペンデント映画。ネタ的には結構使い古されたものだと思うけど、だからといって、誰もやっていなかったところに切り込んだのはやっぱり凄いと思わせる作品。

7位:愛と法

日本で初の里親認定を受けた男性弁護士カップルの日々を描いたドキュメンタリー。同性愛者に限らず、マイノリティと呼ばれている人たちを”多様性”という名の下に許容しようとするならば、ドキュメンタリーにしろ、劇映画にしろ、そういう人の生き方であったり、感じ方をもっと社会に出すべき。そういう人たちにとっても貴重な作品。

8位:若おかみは小学生!

【洋画編】で取り上げた「リメンバー・ミー」と同様に、死が1つのテーマにもなっているアニメーション。明るいテイストの絵作りとは裏腹に、幽霊であったり、トラウマ的な心理的要素も当たり前のように描かれるが、昔から日本人は生活の中であったり、宗教という立場で、そうした心の闇の部分と対峙してきたのです。それを理解できる一本なのかも。

9位:来る

予告編を見る限り、怖そうなホラー作品かと思いますが、確かに見る人が見ると怖いと感じる人もいるかもですが、僕は”怖さ”をネタにした痛快エンターテイメントだと思います。怖さもある点を超えると笑いになるといいますが、この作品は逆に、怖い怖いという要素を詰め込んで、どう笑いを誘うかというのを、これでもかと惜しみなく観客に提供してくれるのです。日本でも、うらめしや〜な日本でも「エクソシスト」や「サスペリア」のようなホラー&ミステリーのようなものができる予感がしてきました(笑

10位:こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話

7位に挙げた「愛と法」同様に、障害者たちの生き方というのを考えて欲しいという点でのランクイン。映画的には正直ちょっとあっさり終わりすぎかなと思いますが、大泉洋の好演もあり、楽しく見れる作品になっています。でも、同時に、障害者である僕的にも新しい発見だったのが、他人に当たり前のように迷惑をかけながら生きる鹿野靖明という男の存在。人は誰しも人に迷惑をかけ、支えられながら生きている。右肩上がりじゃなくなった社会で、どうやって私たちが支え合う社会を作るのか。いろいろ胸のあたりがグルグルとさせられる作品です。

というわけで、12月ギリギリ鑑賞の作品もランクインするなど、結構波乱があった2018年鑑賞ランキングでした。なかなか映画感想文を書けなくなっている生活に変わりましたが、映画だけはしっかり見て、いろんな形で面白さであったり、それを通じた僕という人間の考え方を伝えれたらと思うので、2019年も引き続きお付き合いいただければ幸いです。

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