今年のベスト10はいろいろあって年をまたいでしまいました。。
映画感想文も今年は違ったかたちでお送りしようと思いますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。それでは毎年恒例で。2018年は187本の作品に出会うことができました。その中で主に★4〜5をつけた作品を中心にベスト10を出したいと思います。なお、あくまで私の鑑賞した日時を基準にしてますので、映画雑誌等の公開日と年を前後していることもありますのでご了承を。
今年は【洋画編】からスタートしたいと思います。
ある一人の青年の死をきっかけに始まる命をつなぐストーリー。人は生と死をつむぐ中で生きていることって、頭では分かっているようで、実は分かっていなかったりもしているものです。二人の主人公の周りだけではなく、命をつなぐ現場で働いている人にも焦点が当たっていて、真摯で真面目な作品です。
1967年夏、デトロイトで起こった暴動の悲劇を描く物語。人はまさに人に殺されるというか、緊張感迫る密室の中では冷静な判断ができない。逆から見れば、そういうときに冷静な行動をできる人ほど、人間としては優れているということかもしれないですが。
2018年は「ペンタゴン・ペーパーズ」と並び、スピルバーグが復活した年といって記憶されることでしょう。もう一昨年前(2017年)とは打って変わって別人になったというか、感覚が若返って、かつ洗練されたような気がします。作りながら、自分自身もワクワクしてたんじゃないかな。そんな監督の笑顔すら見えてきそうな快作です!
最近、某衛星放送の影響でロシア映画をよく見るようになったのですが、やっぱり力がある監督が作ると胸迫るものに仕上がるというのが分かる秀作です。2位の「デトロイト」同様に見ててヒリヒリと辛い感情しか呼び起こされないのですが、ここまで愛がない家庭というのは切なく悲しいの一言。それをズヴァギンツェフ監督のカメラは恐ろしいほど冷徹に捉える魔力があるのです。
全ての物語がPCの中で完結するという、スマホ&PC世代には当たり前(?)な現実を上手く捉えたサスペンス。とはいいながらも、よくあるハリウッドのワンアイディアものにとどまらず、ちゃんと奥行き深いミステリーに仕立てているのは並大抵なことじゃありません。若干27歳(2018年)のインド系アメリカ人監督の次の作品が楽しみです。
音楽が満載ながらも、人の死という暗い話題を明るい物語に好転させたディズニー・アニメーション。死は生の続きであるというメキシカンな考えも、日本人にすごく共感できるテーマじゃないかとも思います。マリーゴールド一色の絵作りも見事。
実在のカナダ人アーティストの半生を描いた物語。伝記映画だけではなく、ほとんど全てのカットがまるで彼女のアートのような画作りをしているのが、本当にスクリーンに映えた美しい作品でした。劇場公開は終わりましたが、できれば大きな画面で見て欲しいと思える作品です。
やはりIT黎明期から関わってきた身としては、この作品は是非推したい(笑)。インターネットって何?という子どもらしい問いを、ちゃんと真面目に説明しようと思うと、この映画をまず見せてから説明したい、、そう思えるくらいにインターネットの仕組みがわかる空間でエンターテイメントしていることが凄い。それに大好きな親友だからこそ、、という最後の二人(?)の決断も、メデタシメデタシでは終わらない大人なディズニーだと僕は思います。
「ボーダーライン」の脚本家、テイラー・シェリダン初監督作品。雪深いインディアン部族の村で起こった謎の殺人事件が、思わぬ方向にどんどんと転がっていく様が見事。それだけでなく、底辺には熱い家族の物語を潜ませているのが、観るものの心を打つのです。現代を舞台にした、カウボーイ映画のようでした。
「ペンタゴン・ペーパーズ」とどちらにしようか迷いましたが、同じ女性をテーマにしていても、こちらは社会の偏見にも負けず、常に自分を信じていったお仕事映画として高く評価したいと思います。それにしても社会や文化の偏見をド返しするのは大変と前半部は思うし、後半部が主人公とパートナーになる女性とのビジネスアイディアの応酬が見ていて単純に面白い。ビジネスマンたちには必見ですね。
ベスト10の並びの中には入らなかったですが、この映画も2018年には記憶にとどめておきたいので挙げておきます。世代的にはまさに思春期を過ごして(それほど僕は聞いてはいなかったけど)、彼らの音楽がTVや映画を始め、到るところでかかっていた中で青春を過ごしたと思うと、映画の中で歌われる曲に自然とリズムをとってしまうのは然り。これが若い世代にも受け、口コミで長いヒットになっているのは、まさに映画の1つのムーブメントではなかったと思います。お近くで爆音上映、もしくはIMAX上映がある地域の方は、是非映画館へ新サウンドで映画を感じる鑑賞をして欲しいと思います。