「山河ノスタルジア」を観ました。
評価:★★★★
過去・現在・未来の三つの時代を舞台に、変貌する世界と、それでも変わることのない母と子の愛情を綴った壮大な叙事詩。監督は「世界」、「長江哀歌」のジャ・ジャンクー。僕は2006年のジャンクー監督の「長江哀歌」が凄く好きなんですが、ジャンクー監督の持ち味は大きな時代の流れの中で、必死に時代に抗おうとしたり、適応しようとする人々と、変わっていく周りの世界の対比が見事で、その中でも大きな世界観の中で生きる人を浮かび上がらせるのが絶妙なんですよね。前作の「罪の手ざわり」はバイオレンスな描写もあり、個人的には好きなお話ではなかったのですが、それでもジャンクー監督の持ち味は活きた作品でした。本作は、山西省とオーストラリアという2つの世界を舞台に、変わっていく時代と変わらないものを描いた、ジャンクー監督の十八番(おはこ)ともいえるジャンルの作品ともなっています。