『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』:彼女の作品は興味深いが、予告編以上の感動がないのが残念

ヴィヴィアン・マイヤーを探して

「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」を観ました。

評価:★★☆

決して自らの素性を明かさず、15万点以上の作品を残しながらも1枚も公表しないまま亡くなった女性写真家ヴィヴィアン・マイヤーの生涯に迫るドキュメンタリー。彼女の作品を偶然、近所のオークションで手に入れたジョン・マルーフがチャーリー・シスケルとともに共同監督を務め、彼女に関わっていた人々を探し出し、丹念にインタビューした映像を構成していき、マイヤーの人となりを紐解いていく構成になっています。

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『ピンクとグレー』:中盤にあるドンデン返しは予想できなかったが、これが映画を安っぽくさせてしまった

ピンクとグレー

「ピンクとグレー」を観ました。

評価:★☆

加藤シゲアキによる同名処女小説を映画化した作品。予告編を見ていただくと分かりますが、映画の中盤で今までの設定が覆る、いわゆるドンデン返しがある作品となっています。いろいろな伏線がある中のドンデン返しモノというのは僕は嫌いじゃないので、当初は観る予定ではなかったですが劇場鑑賞してみました。監督は、「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲監督が手がけています。

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『フランス組曲』:正統派戦争ラブロマンスながら、作品の力強さに圧倒される

フランス組曲

「フランス組曲」を観ました。

評価:★★★★★

アウシュビッツで短い生涯を終えた作家イレーヌ・ネミロフスキーの同名小説を映画化した作品。第二次大戦下の明日の分からない不安な未来の中、小説を書いていたということも凄いですが、収容所にて悲劇的な死を遂げた彼女の遺族が、彼女のこの未完小説が入ったトランクを開くことなく、60年ほどの年月にかけ、誰の目に触れることはなかったという歴史も凄い。そして何よりすごいのが、この物語が持つ壮大なまでの人間力が備わっている作品になっているということ。それを「ある公爵夫人の生涯」のソウル・ティブ監督が丁寧に、そして丹念に映画化している素晴らしい作品になっています。今年(2016年)に入って鑑賞2本目の作品ですが、早くも満点評価できる作品になっています。

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『マイ・ファニー・レディ』:映画作りが分かっている巨匠の上手さが光る一作

マイ・ファニー・レディ

「マイ・ファニー・レディ」を観ました。

評価:★★★★☆

本格的な劇場長編は、2001年の「ブロンドと柩の謎」以来となるピーター・ボグダノビッチ監督によるコメディ作品。「ペーパー・ムーン」などが代表作ですが、僕は失礼ながらボグダノビッチ監督作品は初鑑賞。というか、失礼ながら名前も、作品も知りませんでした。そういう意味では何も身構えるものなく、正直な目線で鑑賞したのですが、2016年の初鑑賞で早くもすごく高評価できる形の作品になっています。冒頭は、ある女優のインタビュー映像から始まりますが、これが予告編にも登場してくる元娼婦で、今(インタビュー時点)では何かしらの形で女優になっている主人公。その主人公がどのような形でのし上がってきたかを、インタビューと過去とのフラッシュバックという形で描いていくのです。

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新キネマ宅配便!!設置にあたり

遅くなりましたが、2016年あけましておめでとうございます。

今年より映画関連の感想文を、ブログ「キネマ宅配便!!」に分けて、新規オープン致します。

ブログとして解説するのは2002年以来の久しぶりという形になりますが、毎度の通り、劇場で観た映画の感想文を中心に上げていきたいと思います。また、トップの画像に好きな映画館さんの写真を上げていき、定期的に変えていきたいと思います。

また、できるかどうか分かりませんが、映画感想文とは別に、今まで映画を観てきた好きな映画館を1つ1つ紹介していこうかと思います(と書きつつ、好きな映画館はもう半数近くが閉館してしまっているのですが、、)。

ゆるりと地道に、を合言葉に、新「キネマ宅配便!!」もよろしくお願い致します。