『野良犬 (4K上映)』:三船敏郎の若きギラギラ感が出た刑事もの!印象的なシーンを作る黒澤監督の画力に驚かされる!

野良犬

「野良犬 (4K上映)」を観ました。

評価:★★★☆

刑事の村上は射撃訓練を終え、混雑したバスに乗り込んだところ、所持している拳銃が何者かに盗まれた。周囲にいた怪しい男を追いかけたが、残念ながら、その姿を見失ってしまう。彼は警視庁に戻ると、上長である捜査一課長に報告するものの、処分が下るまでじっとしてはおられず、自ら犯人の足取りを追うことを決意する。スリ係の老刑事・市川に相談すると、同じバスの中にいたと思われるスリの常習犯・お銀が捜査線上に浮かび上がる。村上の詰問を最初は邪険にしていたお銀だが、彼の執拗な捜査に観念し、貸ピストル屋の存在を漠然と知らせれくれた。服をボロボロにしながらも、執念の捜査を続ける村上の前にやがて犯人の糸口が見つかってくるのだが。。「不良少女(1949)」「風の子」の本木莊二郎の製作で、黒澤明監督自身の原作を新人菊島隆三が脚色した作品。

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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』:東野作品らしいミステリアスな雰囲気は表現できているが、お話以外の要素の安っぽさが拭えない。。

ナミヤ雑貨店の奇蹟

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を観ました。

評価:★☆

2012年のある日、以前ナミヤ雑貨店があった廃屋に忍び込んだ敦也たち。かつて、ナミヤ雑貨店はどんな悩み相談も受けることで知られていたが、店の亭主も他界し、今は寂れた商店街の廃屋と化していた。そこに32年前に書かれた悩み相談の手紙が届いてくる。最初は懐疑的だった敦也たちだったが、戸惑いつつ当時の店主に代わり返事をしたためていく。次第にやってくる手紙の内容に、敦也たちの心は強く揺さぶられていく。。直木賞作家・東野圭吾のベストセラー小説を「彼女の人生は間違いじゃない」の廣木隆一監督のもと映画化した作品。

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『22年目の告白 私が殺人犯です』:韓国映画のリメイク作品だが、作品の力としてはリメイク元のほうが上。それでも日本版の良い点もピリリと光っている。。

22年目の殺人 私が殺人犯です

「22年目の告白 私が殺人犯です」を観ました。

評価:★★☆

22年前、5人の犠牲者を出しながら、未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件があった。その犯人を名乗る男が突如、記者会見を開き、告白本を出版すると発表した。会場に現れたのは不敵な笑みを浮かべた、曾根崎雅人という謎の男。素顔を晒し、肉声で殺人を告白する彼の姿にネットを中心に、世間は熱狂する。しかし、曽根崎の行動はそれだけに留まらなかった。マスコミを引き連れ被害者家族に謝罪、時効を迎えた後も執念深く事件を追う刑事の挑発、熱狂するファンたちに向けての堂々のサイン会、、彼の行動は一大センセーションを巻き起こしていくが、それと同時に事件に隠された闇の部分が徐々に浮き彫りとなってくる。。韓国映画「殺人の告白」を日本でリメイクしたサスペンス。監督は「ジョーカー・ゲーム」の入江悠。

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『人間の値打ち』:ようやく日本でも公開されたイタリア7冠に輝いた極上ミステリー。秋の夜長にはピッタリと楽しめる面白さ!

人間の値打ち

「人間の値打ち」を観ました。

評価:★★★☆

クリスマスイヴ前夜、イタリア・ミラノ郊外で一件のひき逃げ事故が起こる。街で不動産業を営むディーノは、後妻で心療内科医のロベルタと娘セレーナの3人で暮らしていた。中産階級のディーノ一家だったが、娘セレーナは大富豪ジョバンニの息子と付き合っていた。ディーノはセレーナをジョバンニの家に送り届けたとき、偶然屋敷の主ジョバンニ本人と知り合い、彼が主宰しているファンドに投資させてくれないかと持ちかける。一方、ジョバンニの妻カルラは何不自由なく暮らしていたが、夫のお飾りになる毎日に鬱憤を募らせていた。また、セレーナはジョバンニの息子と距離をおき、ロベルタの診療所で偶然知り合った少年との中を深めていた。。郊外で起こった、この事故をきっかけに、経済格差のある3つの家庭に隠された秘密が浮かび上がっていく。イタリア・アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞など7冠に輝いたミステリー。監督・脚本は、「来る日も来る日も」のパオロ・ヴィルズィ。

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『永い言い訳』:人の現実と虚構を行来する生き方を素直に描く、西川監督の総決算作品!

永い言い訳

「永い言い訳」を観ました。

評価:★★★★★

“津村啓”というペンネームでテレビのバラエティなどでも活躍する人気小説家の衣笠幸夫。ある日、いつものような日常を過ごしている最中、妻がバス事故で突然他界してしまう。妻が亡くなったはずなのに、悲しみを表せない幸夫。そんな中、同じ事故の犠牲者となった妻の親友の夫と2人の遺児たちと交流を深める幸夫は、亡き妻とも再び向き合い始めてゆく。「夢売るふたり」の西川美和が直木賞候補となった自らの書き下ろし小説を映画化した作品。

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