『YARN 人生を彩る糸』:ニット編みから様々なアートを生み出す人々を追ったドキュメンタリー。ニットの持つ暖かさがアートをより身近なものにしている。

YARN 人生を彩る糸

「YARN 人生を彩る糸」を観ました。

評価:★★★

糸を編むことを通じて表現する4組のアーティストの活動を追ったクラフト・アート・ドキュメンタリー。全身ニット集団と街を闊歩、糸を使ったパフォーマンスなど、個性的なアーティストたちが、その活動から“YARN”=糸に人生そのものを見出してゆく。メガホンを取ったのは、アニメーターとして活躍し、これが長編初監督となるアイスランド出身のウナ・ローレンツェン。

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『歓びのトスカーナ』:精神療養施設を抜け出した2人の破天荒ロードムービー。2人の主人公たちの行動には共感できないが、ラストシーンの儚さは秀逸の一言。

歓びのトスカーナ

「歓びのトスカーナ」を観ました。

評価:★★

イタリア・トスカーナ地方に拡がる緑豊かな丘の上に立つ療養施設。ここには様々な心の病を抱えた女性たちが、農作業などに関わりながら社会復帰のためのトレーニングを重ねている。そこで女王のように君臨するのは、元伯爵夫人と吹聴しつつも、虚言癖のあるベアトリーチェ。ある日、その施設に入院してきたのは自分の殻に閉じこもる全身タトゥーの痩せ女ドナテッラ。彼女のことが気になったベアトリーチェは無理やりルームメイトになり、自然と彼女と行動をともにするようになる。心に深い闇を抱えるドナテッラに前を向いてもらうため、二人は診療施設から脱走を図り、逃避行を繰り広げるのだが。。パオロ・ヴィルズィ監督が「人間の値打ち」に続き、再びヴァレリア・ブルー二・テデスキとタッグを組んだヒューマンドラマ。

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『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナの愛した命』:ユダヤ人を救うために自ら全てを捧げた夫婦の物語。じっくり組み上げた前半部に対し、性急になった後半部で作品のスケール感が小さくなった。。

ユダヤ人を救った動物園

「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」を観ました。

評価:★★

1939年、第二次世界大戦勃発後のポーランド。ナチスの侵攻によって、ヤンとアントニーナの夫妻は経営していた動物園が立ち行かなくなってしまう。数少ない動物たちを救いながら、ゲットーに押し込められるユダヤ人たちを匿うことを画策したアントニーナは、残った動物園の施設を使った養豚場をつくることをナチスに提案する。それは同時に、飼料にゲットーからの生ゴミを使用することを目的化させ、ゲットーからユダヤ人を救出し、自らの動物園を逃走のための中継基地に使う計画だった。だがそれは、自らをも危険に晒す行為だった。。第二次世界大戦中、300人ものユダヤ人をナチスの迫害から救ったポーランドの動物園経営者夫妻の実話を映画化。メガホンを取ったのは「スタンドアップ」のニキ・カーロ。

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『ヤンヤン 夏の想い出』:台湾のニュー世代エドワード・ヤンの集大成な遺作。群像劇でもこれまで時の流れに自然に見せる術が凄い!

ヤンヤン 夏の想い出

「ヤンヤン 夏の想い出」を観ました。

評価:★★★★★

8歳になる少年ヤンヤンは、台北で祖母と両親、姉との5人で暮らしていた。ある日、親戚となる叔父の結婚式の後、祖母が体調不良で自宅で倒れてしまう。何とか一命はとりとめたものの、昏睡状態で帰ってきた祖母の看病に疲れた母親は家を出てしまう。父は家業である仕事に奔走されながらも、昔の恋人に偶然遭遇し、出ていった妻との冷えた関係から淡い想いに恋い焦がれ、姉は隣に引っ越してきた同級生の恋人に心惹かれていく。。ヤンヤンの周りで起こるひと夏の出来事を巡りながら、台北のごく普通の家庭を通じ現代の家族が抱える問題をリアルに描いたドラマ。監督は「恐怖分子」のエドワード・ヤン。

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『湯を沸かすほどの熱い愛』:やけどするくらいの熱い愛のドラマに目頭が熱くなるが、ラスト部分は正直冗長だと思う。。

湯を沸かすほどの熱い愛

「湯を沸かすほどの熱い愛」を観ました。

評価:★★★☆

銭湯・幸の湯を営む幸野家は、1年前に父・一浩が出奔し、休業している状態だった。母・双葉はパートをして娘・安澄を育てていたが、学校でイジメにあっているのか、いつも顔が冴えない心配な状態が続いていた。そんな最中、突然、余命わずかと宣告されてしまう。すると双葉は“ぜったいにやっておくべきこと”を決め、それを1から実行していくのだった。。インディーズ映画出身の中野量太監督による長編デビュー作となっています。

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