『ぼくのおじさん』:松田龍平が好演だが、彼の演技が冴えれば冴えるほど、作品で彼が浮いてしまう不思議な作品。。

ぼくのおじさん

「ぼくのおじさん」を観ました。

評価:★☆

”自分のまわりにいる大人について”という作文の宿題を課せられた小学生の雪男。彼が題材に選んだのは、いつも万年床でマンガを読み、屁理屈ばかりこねている居候のおじさん。おじさんの生活をありのままに綴っていく雪男だったが、そのおじさんに見合い話が持ち上がる。最初は嫌がっていたおじさんだったが、無理やり連れて行かれた叔母が主催のギャラリーで、一目惚れをしてしまう女性に出会ってしまう。。北杜夫の同名小説を、「苦役列車」の山下敦弘監督が映画化した作品。

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『われらが背きし者』:重厚な味わいのする秋にピッタリのスパイ映画。男の持つ強さと弱さをうまく垣間見せる秀作!

われらが背きし者

「われらが背きし者」を観ました。

評価:★★★★☆

英国人大学教授ペリーと妻ゲイルは、モロッコで休暇中だった。休暇中でもひっきりなしに仕事に追われる妻に対し、夫のペリーはどこか妻とのすれ違いを感じていた。ディナーの最中、仕事で出ていった妻に対し、取り残されたペリーは同じレストランの奥で飲んでいた男に声をかけられる。偶然知り合ったその男・ディマはロシアン・マフィアで、組織から抜けるため、あるUSBをMI6(イギリス秘密情報部)に渡してほしいと頼まれる。このことを機に、ペリーは国家を揺るがす大事件に巻き込まれてゆく。。ジョン・ル・カレの同名スパイ小説をユアン・マクレガー主演で映画化。監督は「ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ」のスザンナ・ホワイト。

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『手紙は憶えている』:これは拾い物の良質サスペンス!ミステリーとしての面白さの背後に、ジワッとする人間の醜悪さも感じられる!

手紙は憶えている

「手紙は憶えている」を観ました。

評価:★★★★

妻を亡くしたことさえ忘れるほど、物忘れが進行している90歳のゼヴ。妻亡き後も、老人ホームで余生を過ごしていたが、ある日、ゼヴと同じくアウシュヴィッツ収容所から生き延びた、体の不自由な友人マックスから1通の手紙を託される。そこには物忘れが進んでいたゼヴが忘れないよう、収容所時代に大切な家族をナチス兵士に殺されたこと、亡くなった妻ルースといつか復讐を誓っていたことが、マックスによってしたためられていた。妻亡き後、約束の復讐を果たすべく、薄れゆく記憶を手紙でつなぎとめながら、ゼヴは復讐の旅に出ていくのだった。。監督は「スウィート・ヒア・アフター」、「白い沈黙」のアトム・エゴヤンが務めています。

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『コウノトリ大作戦!』:予告編で感じる楽しさは保証できる良作だが、この普通さが映画としては欠点となっているとも思う。。

コウノトリ大作戦!

「コウノトリ大作戦!」を観ました。

評価:★★

日本語吹替え版にて。

ひとりっ子で遊び相手のいない少年ネイト。両親は自宅で仕事をしているが、24時間365日働き通しでネイトの相手などしてくれない。そんな彼の望みは、まだ見ぬ弟と一緒に忍者ごっこすること。ある日、自宅の物置で、コウノトリが赤ちゃんを届けるという古びた“赤ちゃん申込書”を見つける。大喜びで申し込むが、その申込書が届いた先は、今では赤ちゃん配達を止めてしまったコウノトリ宅配便社だった。。「ネイバーズ(2014)」のニコラス・ストーラーと「マジシャン・プレスト」のダグ・スウィートランドが共同で監督した作品。

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『コンカッション』:NFLに衝撃を与えた事件を映画化。丁寧なシークエンスの積み上げが光る地味な秀作!

コンカッション

「コンカッション」を観ました。

評価:★★★☆

ナイジェリアから夢を追ってアメリカに移住してきたオマルは、地区の検視官を務める真面目な医師。2005年のある日、変死したアメフトの元プロ選手マイク・ウェブスターの検視解剖に携わったオマルは、頭部へのタックルが原因となる脳の病気を発見し、そのことについて著した論文を発表する。しかし、その論文はアメリカのメジャースポーツを批判するものであり、NFLは全面的に否定する。やがて巨大な権力が、オマルとその周辺に圧力をかけていくのだが。。メガホンを取ったのは「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」でデビューした社会派ピーター・ランデズマン。

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