『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』:「ハリー・ポッター」のスピンオフシリーズ第1弾作品。これは面白かった。3Dでの鑑賞必須の作品です!

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を観ました。

評価:★★★★☆

通常字幕版の後、3D日本語吹替え版でも鑑賞。

魔法動物を集めている魔法使いニュート・スキャマンダー。彼は魔法動物たちが詰まったトランクを抱えながら、世界中を旅して回っていた。しかし、もともとうっかり者の性格からか、たまたま訪れたニューヨークでトランクから動物たちが逃げ出し、街を混乱に陥れる。ちょうど同じ頃、ニューヨークの街では謎の巨大生物が街を破壊する事件が続出。魔法省の壊滅を目論む脅威も差し迫っていた。。人気シリーズ「ハリー・ポッター」に登場する教科書を編纂した魔法動物学者に焦点を当てる、スピンオフシリーズ第1弾。「ハリー・ポッターと賢者の石」から約70年前のアメリカを舞台にしている。「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J.K.ローリングが脚本に参加し、この映画のために新しく物語を書き下したことでも話題に。監督は同シリーズ第5弾「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」以降の4作を手がけたデイビッド・イェーツ。

J.K.ローリングのミリオンヒット小説となった「ハリー・ポッター」シリーズ。原作7巻は映画で8作として製作され(最終巻の「ハリー・ポッターと死の秘宝」のみ前後編構成)、様々なグッズやUSJの人気アトラクションとしてワールドも展開され、もはやディズニーを超えたとも、「スター・ウォーズ」シリーズを凌駕したともいえるブームを未だに継続しています。僕にとっての、「ハリー・ポッター」は映画としての関わりしかなく、ちょうど1,2作目公開くらいのタイミングで、原作も含め、大好きな「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズが公開されたこともあり、ファンタジーとしてはそちらに肩入れしていたので、全作は観ているけど、正直そこまでの思い入れはないシリーズでもあります。そんな僕でも、本作から新しく始まる、このスピンオフシリーズは後の4作品の公開が今から楽しみになる1作目となりました。

「ハリー・ポッター」シリーズは主人公ハリーが子どもで、魔法学校での日々を中心に描かれていたので、どうしても子ども向け映画という印象が強かったのですが、本作は、うっかり者の魔法使いで、魔法動物学者のスキャマンダーを巡る物語となっているので、大人でも十分に楽しめる作品になっています。それに、「ハリー・ポッター」シリーズの要素は詰まっているものの、お話として(現段階では)深く絡んでいないので、本作からでも素直に楽しめる作品になっているとも思います。なんといっても、まず楽しいのが数々の魔法動物たち。彼らの不思議で、魅惑的な能力や行動は、映画館のスクリーンによく映えます。それに、夏の「ゴーストバスターズ」以来、久しぶりに3D必須の作品だと思います。動物たちの繊細な毛並みの1つ1つや、スクリーン狭しと逃げ回るシーンでの3Dの迫力は結構あります。僕は都合で3Dは日本語吹替え版での鑑賞でしたが、スキャマンダーのイギリス英語も堪能して欲しいので、3D字幕での鑑賞を強くオススメします。

それにお話もいいですね。うっかりスキャマンダーの物腰の柔らかい姿勢というのが、エディ・レッドメインという俳優にピッタリと合っています。感情を表情というよりは、カメラ目線(斜め45度の視線)で表現しているのも巧みだし、セントラルパークで走り回るシーンなど、アクションにも軽快さがあります。それに狂言回しとなるダン・フォグラー演じるパン屋志望の男ジェイコブも実にいい。スキャマンダーの感情が表に出ないところを、彼とコンビを組ませることでいろいろな感情を外に出すことに成功している。彼自身の恋物語も、(舞台が1920年代のニューヨークということもあり)何か古いクラシック映画のような愛おしいシーンに仕立てることに成功している。この部分だけでも、映画好きにはキュンとなってしまう要素になっているのです。

正直、ここまで良くできているとは思わなかったので満点評価をしてもよいかと思いましたが、唯一不満なのは、スキャマンダーとヒロインとなるティナとの関係がよく見えなかったこと。最初、字幕版で観たのですが、そのときは余計にこのティナというキャラクターが何をしたい人物なのか、、仕事一筋で空回りばかりする人なのか、スキャマンダーに一途に恋心を寄せた女性なのか、、特に見えなかった。日本語吹替えになって、ようやく何となく立ち位置が分かってきたけど、それでもスキャマンダーがぞっこんとなっていくのが少し不明。。このあたり、ジェイコブの恋模様がいいだけに、もう少し分かりやすく単純にしてしまってもよかったように思います。この一点だけ惜しいですが、あとは映画の雰囲気といい、久々に王道として楽しい作品になっていたと思います。

次回レビュー予定は、「五日物語」です。

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