『メン・イン・キャット』:人の精神がネコに入ってしまうぶっ飛び映画!物語にツッコミいれながら観るのが正しい鑑賞法(笑)!

メン・イン・キャット

「メン・イン・キャット」を観ました。

評価:★★★

仕事一筋の社長トムは、傲慢で家庭も顧みない嫌な男だった。妻ララから娘の誕生日が明日だということを知らされ、いやいやながらも娘が欲しがっていたネコを買い、帰途に着いていた。しかしその途中、トムの仕事の方針に反発を感じていた社員イアンに呼び出され、会社の屋上へ行く。雨の中呼び出されたイアンに腹が立ったトムは、その場でイアンをクビにするが、そこに雷が直撃し、転落してしまう。偶然にも助かったトムではあるが、意識不明に陥り、病院のベットの上へ。しかし、実はトムは、買ったネコと中身が入れ替わってしまっていたのだ。。「アメリカン・ビューティー」のケヴィン・スペイシー主演のコメディ。監督は、「メン・イン・ブラック」シリーズのバリー・ソネンフェルドが務めています。

バリー・ソネンフェルド監督といえば、僕が映画を見始めたときに彼の代表作となる「メン・イン・ブラック」が公開になり、当時は人気監督として知られた人。当時は珍しかったCGが多用された「メン・イン・ブラック」シリーズは、3まで作られ、特に日本にとっては今や缶コーヒーのCMで幅広く知られるトミー・リー・ジョーンズが認知されたことも印象的でした。今やCG、VFXがない作品のほうが少ないハリウッド映画にあって、本作で、ソネンフェルドはやはり健在だなーと思わせる楽しい作品に仕上がっていると思います。「メン・イン〜」ではエイリアンが多数描かれ、まるで小さい子が想像するような単純に可愛らしく、かつ毒々しいエイリアンの自由な描写がありましたが、本作で、それを担うのはケヴィン・スペイシーの精神が閉じ込められてしまうネコ。エイリアンと違い、実在の動物なので(笑)、どう描くかが注目だったのですが、よくも悪くも一般なネコとは思えないコミカルな描写が、逆に本作では成功していると思います。

まぁ、人の精神がネコに入ってしまうというぶっ飛びな設定なだけに、「ベイブ」のようなリアリティ溢れるネコの描写は最初から求められていないのです。だからこそ、自由な描写ができるソネンフィルドの味が生きる。最近では、YouTubeでありあえないような行動をするネコや犬の動画が投稿されていますが、本作のネコはそれ以上にありえない動きをしちゃったりする。そんなんできないだろ、、って、スクリーンにツッコミを入れてしまう楽しさ、また、あえてネコだからできないもどかしさをしてしまう動作に終始ゲラゲラ笑えてしまう。スペイシーの当てる声もいいですが、人間の役として、スペイシー・ネコに対峙するジェニファー・ガーナーや、クリストファー・ウォーケンの楽しい演技も実にイキイキして面白い。お話的にはB級映画の枠は出ないし、特段何が凄いっていうことは起きないですが、一級品の面白さを提供してくれる作品なだけに、上映料金分の満足は味わえる作品となっています。

それにしても、「NINE LIVES」という意味深な原題に対し、「メン・イン・ブラック」の監督作品だから、「メン・イン・キャット」って安易すぎだろ、、というのが一番のツッコミどころかもしれません(笑)。ちなみに、予告編もツッコミ満載!!

次回レビュー予定は、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」です。

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