『ザ・ウォーク』:この映画には大事な祈りが含まれているからこそ、3Dが必須の演出要素となっている!

ザ・ウォーク

「ザ・ウォーク」を観ました。

評価:★★★★

3Dの字幕版にて。

1974年当時、世界一の高さを誇ったワールドトレードセンタービル(WTCビル)。その建設途中のWTCビル2棟の間にワイヤーをかけ、その上を綱渡りをした実在のフランス人曲芸師フィリップ・プティの挑戦を劇映画とした作品。ちょうど本作は、2009年に「マン・オン・ワイヤー」という題名でドキュメンタリー映画(しかもアカデミー賞受賞作)としても公開されており、本作でプティその人に興味を持たれた方は是非観て欲しいとも思います。翻って、本作ももちろん素晴らしい。1つの夢、1つの挑戦に身を捧げた男の熱いドラマが、3Dという視覚効果とともに美しく語られていくのです。

続きを読む “『ザ・ウォーク』:この映画には大事な祈りが含まれているからこそ、3Dが必須の演出要素となっている!”

『信長協奏曲』:TVシリーズの面白さはそのままだが、結局TVドラマファン向けの映画に留まっている。。

信長協奏曲

「信長協奏曲(のぶながコンチェルト)」を観ました。

評価:★★☆

2014年にTVドラマ化された、石井あゆみ原作の同名コミック映画化作品。僕は最初、予告編でこういう面白そうな作品があることを知り、TVドラマシリーズを見直し、原作コミックも1巻だけ読んでからの鑑賞となりました。基本はTVドラマの延長にある映画化作品であり、原作コミックの味わいは少々薄いような気もしますが、ドラマ版の発想力の豊かさというのは、原作の目の付け所の良い面白さというところからきていることを、本作でも、また振り返って見たドラマシリーズでも感じました。主演の信長と入れ替わってしまう高校生サブローを小栗旬、信長の妻である濃姫・帰蝶を柴咲コウが演じています。

続きを読む “『信長協奏曲』:TVシリーズの面白さはそのままだが、結局TVドラマファン向けの映画に留まっている。。”

『シーズンズ 2万年の地球旅行』:映像は迫力はあるが、中身は平凡な動物ドキュメンタリー。。

シーズンズ

「シーズンズ 2万年の地球旅行」を観ました。

評価:★★☆

日本語吹替え版にて。

「WATARIDORI」、「オーシャンズ」のジャック・ペラン&ジャック・クルーゾ両監督による動物ドキュメンタリー。映画館で動物ドキュメンタリーが公開になるようになって久しいので、よく混同されがちになるのですが、同じ動物ドキュメンタリーでも、英国BBCが製作するBBC EARTHのシリーズと、本作のようなペラン&クルーゾ監督によるフランス発のシリーズと実は2つの主流があるのです。ダイナミックな自然の情景美を、最新鋭の技術で迫力ある映像を捉えることを主眼にしたBBC EARTHシリーズと違い、ペラン&クルーゾ監督によるシリーズは人間を登場させて、全体の調和を壮大なフィクションのように仕立てるのが持ち味。副題についている、「2万年の地球旅行」をキーワードにし、地球の歴史の1ページを動物たちのドラマで描いていきます。

続きを読む “『シーズンズ 2万年の地球旅行』:映像は迫力はあるが、中身は平凡な動物ドキュメンタリー。。”

『白鯨との闘い』:この邦題が全然イケていないのを始め、映画としてもチグハグなところが目につく。。

白鯨との闘い

「白鯨との闘い」を観ました。

評価:★

3Dの字幕版にて。

ハーマン・メルヴィルの代表作でもあり、アドベンチャー小説の先駆けともなった名作「白鯨」。本作は、その「白鯨」のモデルとなった歴史上のドラマを取り上げた、海洋スペクタクル・ドラマとなっています。メガホンを取るのは、「アポロ13」や「ビューティフル・マインド」などの作品で知られるロン・ハワード。主演は、「マイティ・ソー」のソー役でブレイクし、ロン・ハワード監督とも「ラッシュ/プライドと友情」で組んだクリス・ヘムズワーズが務めています。

続きを読む “『白鯨との闘い』:この邦題が全然イケていないのを始め、映画としてもチグハグなところが目につく。。”

『パディントン』:子ども向き映画の枠に留まらない、センスの高さとお洒落さを感じる作品

パディントン

「パディントン」を観ました。

評価:★★★★

英国作家マイケル・ボンドの人気児童小説を、ポール・キングが監督&映画化した作品。僕は映画を見終わって、いろいろ調べるまで分かりませんでしたが、この映画の原作となった小説のキャラクターは、きっと誰しもが1回は目にしたことあるイラストで表現されている熊のキャラクターとして有名。それを映画版では結構緻密なリアリティあるクマの造形になっていたので、これはいいのやら悪いのやらと思いましたが、それ以上に映画は単体として面白いので、必見な作品になっていると思います。

続きを読む “『パディントン』:子ども向き映画の枠に留まらない、センスの高さとお洒落さを感じる作品”