『パディントン』:子ども向き映画の枠に留まらない、センスの高さとお洒落さを感じる作品

パディントン

「パディントン」を観ました。

評価:★★★★

英国作家マイケル・ボンドの人気児童小説を、ポール・キングが監督&映画化した作品。僕は映画を見終わって、いろいろ調べるまで分かりませんでしたが、この映画の原作となった小説のキャラクターは、きっと誰しもが1回は目にしたことあるイラストで表現されている熊のキャラクターとして有名。それを映画版では結構緻密なリアリティあるクマの造形になっていたので、これはいいのやら悪いのやらと思いましたが、それ以上に映画は単体として面白いので、必見な作品になっていると思います。

南米ペルーの山奥にて、静かに育てられた一頭の小熊。彼のおじとなるパスティーゾは、昔、ロンドンからやってきた冒険家に人間の世界の素晴らしさ、ロンドンの素晴らしさを知り、それを常に教えていた。ある日、ペルーで起きた大地震の影響で、小熊はおじの憧れたロンドンに単身やってくることに。そこで小熊はパディントンと名付けられ、人間のある一家と暮らし始めるのだが。。

「ハリー・ポッター」シリーズが日本でも人気だったこともあり、イギリスの童話映画化作品の素晴らしさを多くの人が知ることができたと思います。その楽しさを知った人は、是非、この「パディントン」も観て欲しい。イギリスらしいところは英語の独特のアクセントのみならず、ロンドンの各所でコミカルかつお洒落な物語が見もの。パディントンの名前の由来となった駅の情景はもとい、ペルー冒険家の素性を調べる怪しい骨董屋や、冒険家たちの所属する組合の造形も面白いの一言。これは単純な子ども向け映画とは一線を隠すセンスの高さを感じるのです。

登場人物たちも愛らしい。熊のパディントンも、彼のロンドンでの生活の舞台となるブラウン一家もいいのですが、何といっても一番の見所は悪役を演じたニコール・キッドマン。元夫のトム・クルーズ主演の「ミッション・インポッシブル」ネタを随所に披露するなど笑いを誘うし、彼女独特の美貌が、映画の悪女役にもピッタリハマっています。大人向きには、パディントンよりも、ニコールの艶やかさぶりが必見な作品にもなっています。

日本では子ども向きともあって、日本語吹替え版での公開が多いですが、大人なあなたには、是非字幕版での鑑賞をオススメします。

次回レビュー予定は、「白鯨との闘い」です。

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