『マリアンヌ』:戦時下で育まれる愛と生じた疑念。ゼメキスにしては凄く王道なラブロマンス!

マリアンヌ

「マリアンヌ」を観ました。

評価:★★★

1942年、カサブランカ。マックスは連合国軍の極秘作戦に参加し、フランス軍のレジスタンスとして活動をしていたマリアンヌと出会う。最初は偽装夫婦として生活をともにしながら、ドイツ軍に対する諜報活動に徹していた2人であったが、いつしか互いが惹かれ始めていることを感じていた。極秘作戦後、今なお空襲の激しいロンドンで再会した2人は、戦時下ではあるがやがて結ばれることになる。しかし、マリアンヌには夫には明かすことができない、ある秘密があるようだった。。ブラッド・ピット&マリオン・コティヤール共演で、ロバート・ゼメキスがメガホンを取ったラブストーリー。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「フォレスト・ガンプ」などの1980年〜90年代にかけてのヒット作を手掛けたゼメキスですが、「フライト」「ザ・ウォーク」などの近作でも果敢に挑戦をすることを止めない姿勢に感服すらを感じます。ですが、本作に関しては、すごく王道のラブストーリーに仕立ててきたなと感じます。映像的にも面白いところというのは、冒頭のマックスがアフリカの砂漠に降り立つシーンくらいで、序盤に展開されるカサブランカでのバーでの大団円も、終盤の空襲やロンドンからマックスが飛行機で繰り出すシーンも、ゼメキスならではというのはあまり感じ入らなかったように思います。それでもドラマをしっかりと支える背景をしっかり作るのはなかなか。カサブランカとロンドンの1940年代の雰囲気も色濃く醸し出しています。

お話としては予告編で見られるように、レジスタンスとして活動し、惹かれ合って結婚、子どもまでできたマリアンヌが、敵国のスパイだったのか、そうでなかったのか、、というのがお話の1つのポイントになっています。オチは作品を見ていただくとして、そこに持っていくまでのお話の展開もやや平板というか、悪くはないけど、ありがちな感じに映ってしまうのが少々気になるところ。しかし、序盤のマックスとマリアンヌが強く惹かれ合っていることをしっかり描くことで、後半の悲劇的になっていく部分がより効果的に浮き上がってくるのはなかなか良いかと思います。ブラッド・ピットは最近製作とか、裏の仕事が多くてなかなか表に出てきませんが、今が旬のコティアールをこうも魅力たっぷりに引き立てるところが渋いというか、単にイケメンというだけでない役者としての上手さを感じるところです。

次回レビュー予定は、「島々清しゃ」です。

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