『ペット』:飼い主がいない間に繰り広げられるペットたちの冒険アドベンチャー。テンポの良さが傑出している!

ペット

「ペット」を観ました。

評価:★★★

日本語吹替え版にて。

人間と同じ数だけペットもいる巨大都市ニューヨーク。飼い主が不在の間のペットたちは何をしているのか?? その秘密の生活と、都会で迷子になってしまった2匹の犬、雑種犬マックスと大型犬デュークの冒険をユーモアたっぷりに描き出す。「ミニオンズ」を生んだイルミネーション・エンタテインメントがユニバーサル・スタジオと再びタッグを組んだアニメーション。監督は「ロラックスおじさんの秘密の種」のクリス・ルノーと、同作でプロダクションデザインを手がけたヤロー・チェイニー。

ペットに関することで驚くのが、このところ単身世帯でもペットを飼う人が増えているということ。無論、全てがそうではないとも思うが、やはり一人暮らしの寂しさというのをペットで癒やされるという人も少なくはないだろう。そうした単身世帯でペットを飼う人のふとした疑問は、仕事や学校で家にペットを置いてきたときに、ペットたちは何をしているのか、、ということ。きっと人間と同じでゴロゴロしていたり、障子やふすまを使って、歯や爪を研いでいるくらいしかしていないだろうけど、そうしたペットたちも人と同じように暇な時間を音楽を聴いたり、ゲームに興じたり、そして願わくば主人の目を盗んで抜け出して大冒険をしているに違いない。本作「ペット」はそうした留守番ペットたちでも、楽しい世界で暮らしているに違いない、、という飼い主たちの願望を映画化した作品かもしれません。

本作は留守番ペットたちの想像もできない秘密の生活を描きながら、ひょんなことから街を巡回する保健所の車に御用となってしまう、マックスとデュークという2匹の犬たちが主人であるケイティの元に戻るという大冒険を描いていきます。くしくも同じような主人の元に戻る物語として、「ルドルフとイッパイアッテナ」という日本アニメ映画が同時期に公開されていますが、本作はいい意味で中身があまりない作品になっています。「ルドルフ〜」が学ぶ意義とか、主人に仕えることとはとか、物語のテーマをしっかりと出しているのに対し、本作はとにかく楽しい動物たちの世界と冒険アドベンチャーしか描いていない。どちらが良くて、どちらが悪いという議論ではなく、同じような話でもジャンルは全く違う作品と捉えたほうがいいのです。本作はさすが「怪盗グルーの月泥棒」や「ミニオンズ」のイルミネーションらしく、テンポよく、とにかくハイテンションにキャラクターたちをスクリーン狭しと暴れさせる。この面白さは、エンターテイメント作としても1つの軸をしっかりと出せていると思います。このあたりは同じ3DCGアニメでも、ピクサーやディズニーとは違う色だと思います。

これからもイルミネーションのアニメは見逃せない、、と思わせる一作でした。

次回レビュー予定は、「ニュースの真相」です。

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