『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』:京都と吹奏楽という僕の大好きな要素が詰まった劇場版第2作!前作より、フォーカスする人物を絞った分だけ話がより深くなっている!

響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ

「劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ」を観ました。

評価:★★★★(吹奏楽ファンなら★5つ)

吹奏楽コンクール全国大会への出場が決まった北宇治高校吹奏楽部。秋が深まる中、全国に向けて練習が厳しくなる。そんな中、副部長で久美子と同じユーフォニアムパートの先輩、3年生のあすかの退部話が持ち上がり、部に動揺が走る。部活に懸命に打ち込み、部のまとめ役でもあったあすかはなぜ部をやめるのか? 後輩である1年生の久美子は、あすかの真意を正すためにある行動に出るのだが。。吹奏楽に打ち込む高校生たちの青春を描いたテレビアニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズ第2期を、金管楽器ユーフォニアム担当の久美子とあすかを軸に再構成した劇場版。テレビシリーズの監督・石原立也が総監督、演出として携わっていた小川太一が監督を務める。

京都の南、宇治市にある高校を舞台に描かれる劇場シリーズ第2弾。前作は、以前住んでいた三重の劇場で観ていたのに、この2作目は京都のど真ん中の劇場で観ていて、しかも本作で描かれている宇治市のほんの隣町くらいに住んでいるというのは、少し自分にとっては感慨深いものがあったりします。それに本作中に出てくる、久美子があすかの自宅を訪ね、ユーフォニアムを河川敷で吹くシーンがあるのですが、あの場面なんて、まさに自分が日常車でよく通るところだーと思い当たるなど、本作のアニメとしてのファンではないものの、聖地近くに住んでいるというのはちょっとした自慢になるかもしれません。

京阪電車や京都駅の大階段など、その他にも京都が満載に描かれると同時に、吹奏楽ファンとしても2015年の課題曲が、まさにそのまま北宇治高校のコンクール演奏曲として使用され、劇場の音響で聞けるというのも中高生の現役奏者たちにとっては感涙モノではないかと思います。僕は大階段コンサートで聞ける、バリサクソロでの「宝島」が印象的でしたね。今まで僕自身も現役学生から、いろんな仲間と吹いてきた鉄板曲ですけど、あのソロをバリサク(確か部長さんだったかな)で聞かせるというのはなかなかオツだなと思ってみてました。

と、京都の要素と吹奏楽映画というだけで高評価になってしまうのですが、本作のお話としての見どころは、前作がコンクール出場にまつわる部員たちの悲喜こもごもを描いていたのに対し、本作では作品の主人公である1年生の久美子と3年生のあすかの2人にフォーカスが当たっています。前作の感想文でも少し触れましたが、吹奏楽部と一言で書いても、楽器や音楽好きというだけではなく、いろんな目的をもって部に人は集まっている。どちらかと言うと人に流されて入部した久美子に対し、あすかは部をまとめるという役割を担い、部活が大好きに見えていそうで、実はユーフォニアムという楽器に対して、1つの強い想いを抱いていたことが明らかになってくるのです。冒頭のあすかの幼少期の場面や、トロンボーンをやっていた久美子の姉などの描写をうまくオーバラップさせることで、部活をやるだけでは大学にはいけない、、だけど、なぜ部活をやるのだろう?という、前作にも触れていたテーマをより深く掘り下げている作品になっていると思います。テレビ版からの抜粋でできている劇場版なので、やや詰め込み感がないわけではないですが、吹奏楽や京都が好きな人にはいろいろな見どころの多い作品になっていると思います。

次回レビュー予定は、「斉木楠雄のψ難」です。

おまけ: 本作アニメファンの方が結成したバンドでの「宝島」の映像(バリサクソロ)があったので、貼り付けておきます。

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