『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』:淡々と進んでいく物語だが、核となる部分にもう少し厚みが欲しい。。

アイヒマンs・ショー

「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」を観ました。

評価:★★

第二次世界大戦下、ナチス・ドイツの手で行われたユダヤ人の虐殺。この歴史的悲劇を主導した元ナチス親衛隊将校アドルフ・アイヒマンの裁判を、テレビ放映しようと奔走した男たちを描いたドラマ。このときの映像素材は今日でも様々なドキュメンタリーにも使われ(映画では、「スペシャリスト~自覚なき殺戮者~」が有名)、劇映画の中でも2013年に公開された「ハンナ・アーレント」でも活用されていたことを覚えています。映像としてもエポックメイクな、このフィルムを撮影していった裏方にも熱い話があったというお話になっています。監督は、「アンコール!!」のポール・アンドリュー・ウィリアムズ。

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『オマールの壁』:作風は地味な小品だが、リアルな描写が逆に心を揺さぶる!

オマールの壁

「オマールの壁」を観ました。

評価:★★☆

遠く離れた日本でもよくニュースに流れるパレスチナ問題。イスラエルとヨルダンの国境に挟まれる形で存在する、ガザ地区をはじめとした西岸地区とイスラエル国内(もう、この辺りの国境線はあってないようなものですが。。)を隔てるように立つ分離壁。本作は、この分離壁を乗り越えて、恋人に会いにいくパレスチナ青年の恋を描きながら、同時にこの複雑な地域に住む、一人の青年が抱えた苦悩をも描き出すような形の社会派作品にもなっています。監督は「パラダイス・ナウ」のハニ・アブ・アサド。

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『最高の花婿』:テーマも深いし、作品もお洒落だが、それが面白さにはつながっていない。。

最高の花婿

「最高の花婿」を観ました。

評価:★★

多様な人種が混在する国フランス。この国に住む敬虔なカトリック教徒のヴェルヌイユ夫妻。愛する4人の娘のうち、3人の娘たちがアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚した。末娘には白人のクリスチャンを望む夫妻であったが、彼女が連れてきたのはコートジボワール出身の黒人の恋人だった。。

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『スポットライト 世紀のスクープ』:淡々としたシークエンスを積み重ねることで、作品の面白さが活きてくる作品!

スポットライト 世紀のスクープ

「スポットライト 世紀のスクープ」を観ました。

評価:★★★★

地方の新聞記者たちがカトリック正教会のスキャンダルを暴いた実話を、「靴職人と魔法のミシン」のトム・マッカーシー監督が映画化した作品。今年(2016年)のアカデミー賞作品賞受賞作品となります。「大統領の陰謀」のようなジャーナリズムの真髄をいくような作品も久々です。

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