『最高の花婿』:テーマも深いし、作品もお洒落だが、それが面白さにはつながっていない。。

最高の花婿

「最高の花婿」を観ました。

評価:★★

多様な人種が混在する国フランス。この国に住む敬虔なカトリック教徒のヴェルヌイユ夫妻。愛する4人の娘のうち、3人の娘たちがアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚した。末娘には白人のクリスチャンを望む夫妻であったが、彼女が連れてきたのはコートジボワール出身の黒人の恋人だった。。

インターネットで世界と気軽につながり、スマートフォンの翻訳アプリなどで言葉の壁も超え、LCCの台頭で実際に海外に行くこともメンドくさくはなくなってきた時代。無論、こんなご時世ではあるので、国際結婚も珍しくなくなってはきている。しかし、言葉の壁以前に、人種や宗教などの価値観の違いを乗り越えるというのは、家族になるという前提にあると結構高い壁。本作はコメディという体裁こそ取っていますが、扱っている問題は結構深遠なものなのかもしれません。

予告編を観た段階である程度どんな作品か予見できますし、結末もハッピーエンドになるなーというのは約束されている形になっています(これはネタバレじゃないよね笑)。こういう作品の楽しみって、そこに持っていくまでの山あり谷ありを楽しみたいはずなんですが、どうも作品のすべての楽しさが上っ面というか、表面的にしか流れていかず、人種・宗教を超えて人を理解するということとは、、というテーマに対して、微塵も触れることができずに作品が終わっているように思えてなりません。出てくるキャラクターはどれも愛おしいし、面白いんですが、その場その場の笑いはあっても、話として面白いという域には到達していないように思えます。上映時間も長くなく、気軽に、お洒落に見れることはいいことかなとは思いますが。。

次回レビュー予定は、「オマールの壁」です。

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