『blank13』:長い間行方をくらましていた父親の葬式に集う珍妙な人々。葬式劇の狙いは分かるが、作品としては決まっていない。。

blank13

「blank13」を観ました。

評価:★★☆

コウジの父親は13年前に突然蒸発し、長い間行方不明の状態が続いていた。やっと判明した父の消息だったが、その体はガンに侵されていた。母と兄は多額の借金を残したまま行方をくらました父親の存在を許せなかったが、コウジは小さい頃にキャッチボールをしてくれた優しい父親の姿を忘れられないでいた。しかし、そんな父も再会した3ヶ月後に他界してしまう。そして葬儀当日、少ない参列者たちの口から、コウジの知らない父の姿が明かされるのだが。。俳優の斎藤工が、“齊藤工”名義で手掛けた長編初監督作品。

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『麦秋 4K上映』:現代社会の姿も少し暗示させる小津監督の代表作。少し単調なキライもあるが、撮影感覚は独特で面白い。

麦秋

「麦秋 4k上映」を観ました。

評価:★★★

間宮周吉は北鎌倉に住む植物学者。息子の康一は医者で東京の某病院に通勤、娘・紀子は丸ノ内の貿易会社の専務・佐竹宗太郎の秘書として働いている。佐竹の行きつけの築地の料亭「田むら」の娘・アヤは紀子と学校時代からの親友で、二人とも未婚であるが、同じく級友の安田高子と高梨マリはすでに結婚していた。なので、4人が顔を合せると、未婚組と既婚組とに対立する。折から間宮家へは周吉の長兄・茂吉が大和の本家より上京して来たが、紀子の結婚談が出てくる。同時に、佐竹も自分の先輩の真鍋という男との縁談をすすめるのだった。。世界で最も古く権威のある英国映画協会(BFI)が発行しているSight&Sound誌の発表した「映画監督が選ぶベスト映画」の1位に選ばれた小津安二郎監督が描く、1951年製作の家族の肖像劇。

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『ビッグ・シック 大いなる目ざめ』:アメリカにいながら、パキスタンの風習に苦しむ若者の恋愛コメディ。すべて上手くいかない理由の帰結が少々安易なような気がする。。

ビッグ・シック 大いなる目ざめ

「ビッグ・シック 大いなる目ざめ」を観ました。

評価:★☆

パキスタンで生まれながら一家で移住し、今はシカゴに暮らすクメイルは、駆け出しのコメディアンとして街中の舞台に立っていた。そして、アメリカ人大学院生エミリーと交際していた。だが、同郷の花嫁しか認めない厳格な母親に従い、母親が進める相手と仕方なく見合いをしていた。しかし、そのことがエミリーにバレてしまい、二人は破局してしまった。その数日後、エミリーが原因不明の病でこん睡状態に陥ってしまい、病院に駆け付けたクメイルはエミリーの両親と出会うのだが。。パキスタン出身のコメディアン、クメイル・ナンジアニが、自ら体験した異文化結婚をめぐる騒動を映画化した作品。クメイルとエミリー本人が共同で書いた脚本を、クメイルを主役に抜擢し、「はじまりのうた」のジャド・アパトーが製作。「ドリスの恋愛妄想適齢期」のマイケル・ショウォルターがメガホンをとっています。

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『花筐/HANAGATAMI』:戦争三部作の集大成を飾る大林宣彦監督作。強いメッセージ性は好き嫌いが分かるが、相変わらずの瑞々しさは観ていて嬉しい。

花筐

「花筐/HANAGATAMI」を観ました。

評価:★★★

1941年春、佐賀県唐津市。この地で叔母の家に身を寄せる17歳の青年・榊山俊彦は新学期、アポロ神のような逞しい美少年・鵜飼に目を奪われる。同じクラスには虚無僧のような吉良、お調子者の阿蘇ら、一癖も二癖もある学友を得、彼らと共に“勇気を試す冒険”に興じる日々を過ごしていた。一方で、同じ家に住む、肺病を患う従妹の美那には恋心を抱いていた。彼女も俊彦同様、女友達のあきねや千歳ともに“不良”なる青春を謳歌していた。しかし、そんな彼ら彼女らの純粋で自由な荒れぶる日常は、いつしか戦争の渦に飲み込まれてゆくのだった。。「この空の花 長岡花火物語」「野のなななのか」に続く“戦争三部作”の最終章。檀一雄による同名短編小説を大林宣彦監督が映画化した作品。

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『パンとバスと2度目のハツコイ』:淡い恋心が再燃していくちょっと大人な恋愛劇。ホンワカした雰囲気の中に、えらく現代的な恋愛観が凝縮されている傑作!

パンとバスと2度目のハツコイ

「パンとバスと2度目のハツコイ」を観ました。

評価:★★★★★

パン屋で働く市川ふみは、結婚に踏ん切りのつかない恋愛こじらせ女子。付き合っていた彼からプロポーズされるも、「私をずっと好きでいてもらえる自信もないし、ずっと好きでいられる自信もない」という独自の結婚観で断ってしまい、そんな彼とも疎遠になってしまった。そんな彼女の趣味は、仕事終わりに職場のパンを食べながら、近くのバス操車場でバスの洗車を眺めることくらい。そんなある日、彼女の中学時代の初恋相手であるたもつが、職場のパン屋にやってきた。彼は離婚した元妻のことを忘れらずにいるモヤモヤとした状態だった。学生時代より忘れていた淡い恋心が、小さくそして確実に再燃していくのだが。。2016年にアイドルグループ『乃木坂46』を卒業した深川麻衣の初主演作。「退屈な日々にさようならを」の今泉力哉監督が映し出した作品。

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