『キングコング 髑髏島の巨神』:日本の怪獣映画に非常によせた”シン・キングコング”。B級ぽっさを前面に出し、無茶苦茶やってくるところに興奮さえ覚える!

キングコング 髑髏島の巨神

「キングコング 髑髏島の巨神」を観ました。

評価:★★★★☆

2D字幕版にて。

太平洋の髑髏島。ここは外から人が立ち入ることができない、未知の生物が住む島と言われてきた。ベトナム戦争が集結しようとしていた時代、とある学者はその生物たちの存在を確かめるべく、政府の援助を得て、軍隊の護衛の下、その島に乗り込んでいく。だがそこは、巨大な守護神キングコングのほか、凶暴な巨大生物たちが生息する魔の島だった。。果たして彼らは脱出することができるのか。。「GODZILLA ゴジラ」のレジェンダリー・ピクチャーズが、怪獣映画の元祖キングコングを再映画化。監督は本作でメジャーデビューを果たす、ジョーダン・ヴォート=ロバーツ。

いやー、楽しい映画でした。「キングコング」といえば、僕は「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が2005年に映画化した作品が結構好きなのですが、あちらは結構、「キングコング」という作品の本流(何が亜流か分かりませんが、、笑)を行っているのに対し、本作はまさに怪獣映画といってふさわしいところを切り込んでいきます。「GODZILLA ゴジラ」(2014)の感想文を書いたときも触れたと思いますが、まさに東宝が昔やっていた純な怪獣映画という枠はハリウッドにいっていて、同じレジェンダリーが放つ本作はそのテイストを受け継いでいると思います。だからこそ、ポスターや予告編も含め、そういう怪獣映画が放つB級感を前面に押し出している興業が非常に楽しいし、面白い。対する日本の東宝は「シン・ゴジラ」で、そのゴジラを20世紀版の怪獣映画とは違うところにもっていこうとしているので、ゴジラファンとしてはどちらのゴジラ(怪獣映画)のこれからが非常に楽しみだなと思います。

そういうわけで、本作は内容自体もそういうB級感を前面に押し出して、まさに”キングコング”という怪獣が島に入ってきた人間たちと対決するのも楽しいし、島の他の怪獣たちとまさに死闘を繰り広げる様に全身の血沸き立つような興奮を覚えてしまいます。これは絶対スクリーンで見るに限ります。サミュエル・L・ジャクソンとコングがまるでジャンプ漫画を彷彿とさせる眼力バチバチで対峙するところは逆に笑えてしまうし、コングが島の住民たちの守り神として君臨する男気を見せたり、逆に若い姉ちゃんカメラマンには心奪われるような行動を取ってしまう(まぁ、ジャクソン版「キングコング」のような哀愁までは出しませんが、、)ところもキュンキュンとしてしまう。マーヴェル・コミックシリーズさながらに、エンドクレジット後は次回「GODZILLA」映画との合流を匂わすシークエンスを入れたりと、怪獣映画ファンの心を鷲掴みにしてしまうようなシーンに思わず涙をしてしまうことでしょう(笑)。

ただ本作、気になるのは、「キングコング」という映画にそもそもあった物語性を一切排除してしまって、単純に怪獣映画としてしまったところにやや物語としての薄っぺらさを感じてしまうのですよね。映画を見ている最中は興奮しまくりなのですが、終わった後には何も残らないのが個人的には気がかりです。そこだけ、評価を少し下げさせてもらいます。。

次回レビュー予定は、「ムーンライト」です。

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