『GANTZ:O』:グロい描写もなくはないが、和テイストを感じるエンタメ3DCG映画。海外でウケそう!

GANTZ:O

「GANTZ:O」を観ました。

評価:★★★☆

地下鉄で通り魔事件に巻き込まれ、死亡した高校生・加藤勝は、謎の黒い球体“ガンツ”に命を与えられ、とあるマンションの一室で目覚める。そこには玄野という若きリーダーを亡くした、東京チームと呼ばれる謎のメンバーに遭遇する。球体”ガンツ”に与えられた運命に戸惑う勝だが、”ガンツ”によって、東京チームのメンバーとともに大阪の街に転送される。そこでは妖怪型の星人軍団“百鬼夜行”が、大阪の街を地獄へと変えていた。”ガンツ”の運命に翻弄されながら、勝は再び残されたたった一人の弟と再び出会うために、妖怪たちとの死闘を繰り広げていく。。奥浩哉の人気コミック『GANTZ』の中から、「大阪編」と呼ばれるエピソードを3DCGアニメーションとして映画化。総監督を『TIGER & BUNNY』のさとうけいいちが務め、実写版「GANTZ」のVFXを担当したデジタル・フロンティアがアニメーション制作を手掛ける。

3DCGアニメーションというと、アメリカのピクサースタジオ(「トイ・ストーリー」など)の成功を、逆輸入するような形で、日本でも今夏「ルドルフとイッパイアッテナ」などの作品が製作され、一定の成功を収めているといえると思います。でも、僕はやはり日本初の3DCGというと、2001年の映画「ファイナルファンタジー」(製作自体はイギリス)の濃い印象と激しい失敗の思い出が凄まじく思い出します(笑)。海外はどうなのか分からないですが、映画でCGという前に、日本ではPlayStationなどのゲーム機でCGムービーが作られるようになったのが最初の記憶ではないでしょうか。それをそのまま映画というフォーマットに当てはめただけの「ファイナルファンタジー」は、物語の内容どうのこうの以前に、CGのみの役者というものが、繊細な描写の割には人間味のとことん感じられないようなノッペリとした印象しか残らなかった。この15年のときを経た、等身大キャラクターでの3DCGの進化を見てみると、クオリティを高くするということはどういうことなのかの研究が凄く進んでいるなと思った一作でした。

ということで、本作ですが原作になっている奥浩哉のコミックは読んだことないですが、実写版「GANTZ」の存在は知っていました。実写版のほうは見なかったんじゃないかな。。そもそも不条理に人を殺したりするアクションは(いくらフィクションといえども)あまり好きなほうではないので、爽快感が得れるような作品でない限り見ないのですが、本作は実写でなく、アニメであることが成功していると思います。グロい描写もなくはないのですが、アニメであることで衝撃が少し緩和されているし、さすが「TIGER & BUNNY」を手掛けた人だけあって、アクションのスピード感や爽快感はなかなかのもの。出てくる戦闘ガジェットは「マイノリティ・リポート」などのSF映画に出てきそうな楽しさだし、大阪や妖怪たちの描写は和の香りがして日本映画ぽいし、ロボット大戦まででてきて、これはまるで「パシフィック・リム」のよう。とことん楽しいエンタメピースを大迫力で埋めているので、そもそもの”ガンツ”の仕組みの理解が追いつかなくても、映画館からは満足して出れること請け合いです。

次回レビュー予定は、「PK」です。

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