『鷹の爪8 吉田くんのX(バッテン)ファイル』:このシリーズでホロリとさせられるとは。。FROGMANの力量を垣間見れる作品!

鷹の爪8

「鷹の爪8 吉田くんのX(バッテン)ファイル」を観ました。

評価:★★★

未来の世界で、謎の怪事件が次々と発生する。調査の結果、20世紀の島根県で販売されていた”呪いのビデオ”が原因であることが特定される。うだつの上がらない捜査官モレルダーは、密かに想いを抱いている敏腕捜査官ナスカリーと共に、20世紀の島根県へタイムスリップし、「呪いのビデオ」捜索を始める。同じ頃、島根県吉田村の小学生・吉田くんは幼馴染の里美が転校するにあたって、あるプレゼントを用意していたのだが。。監督、脚本、原案、主演をFROGMANが務める人気フラッシュアニメ「秘密結社 鷹の爪」シリーズの劇場版。原作は『月刊コロコロイチバン!』連載中の同名コミックとなっています。

「鷹の爪」シリーズはテレビ朝日の深夜放送から始まり、YouTubeなどのインターネット放送や、TOHOシネマズでの劇場CMなどの人気を経て、劇場版が作られるようになってきました。DVDやオリジナルのスピンオフなども多数作られていて、もはや何が何だか分からなくなっていますが、このシリーズの良いところは、各シリーズ間に明確なつながりがないので、ほぼどの作品を初見で観ても楽しめることでしょう。僕も劇場版は予告で知れば観ていますが、知らなくてスルーした作品も数多い。それでも毎回新鮮な形で楽しめるのは、さすが「鷹の爪」と思ったりもしています(笑)

それでも、ここのところの劇場版は少しマンネリというか、スポンサーをつけて無料で公開してしまったりという作品外で意外な形があったりしたものの、作品としては、短いシークエンスで終わる笑いに終止していた感がありました。その意味では本作は吉田くんの小学生の頃と、未来世界をつなぐというスピンオフ的な立ち位置にした結果がとてもうまく行っている(総統とかも登場はするのですが)と思います。久々に1つのまとまったお話を上映時間内にちゃんと展開し、モレルダーとナスカリーの恋、幼少期の吉田くんが持つ仲間への思いや、未来へ向けた決断など、脱力コメディながらにも、力が入ったお話に悔しいながら感動させられたりもするのです。笑いがあって、ホロリとくるところもあり、コメディ映画に必須な要素が、くしくも、この第8作で久々に戻ってきた感があります。思えば、初期の劇場版にもこうした味わいがあったと思うのですが、ここ数作ではざっくりと抜けていた部分だったと思います。FROGMANも笑いだけでなく、久しぶりに(珍しく)力を入れた感があるのかもしれません(笑)。

モレルダーとナスカリーという名前のように、「X-ファイル」をところんパロっていたり、吉田くん一団の冒険劇は、往年の「グーニーズ」のようでもあり、観ていてとても楽しかったです。和夫くん、サイコーです!

次回レビュー予定は、「太陽のめざめ」です。

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