『ロスト・バケーション』:サメものとしては及第点レベルだが、小気味よい演出で作品のリズムの良さは感じる!

ロスト・バケーション

「ロスト・バケーション」を観ました。

評価:★★☆

前から秘境のビーチでサーフィンをすることを夢見ていたナンシー。そこは亡き母の面影を感じる素敵な場所でも合った。サーフィンを楽しんでいたナンシーは、突然何かに襲われ脚を負傷してしまう。無我夢中で近くの岩場にたどり着くが、その岩の周囲を獰猛なサメが虎視眈々と旋回していた。「アデライン、100年目の恋」のブレイク・ライヴリー主演によるサバイバル・アクション。監督は「ラン・オールナイト」のジャウマ・コレット=セラ。

「フォーン・ブース」、「セルラー」などの作品のような、いわゆるハリウッド作品としては小品ながらもピリリに光る作品シリーズ(笑)。思えば、ブレイク・ライヴリーが主演していた「アデライン、100年目の恋」も、そんな小気味よく光る良作でもありました。そのうえでの本作は、いわゆるサメ(”ジョーズ”)もの。僕はこの手の作品は「ジョーズ」もいいですが、学生時代に観た「ディープ・ブルー」がピカイチだと思っています。サメものとしての人間を襲う恐ろしさも一級品でしたが、展開が全く予想できない作り方は、映画をまだそんなに見ていなかった僕にとっては凄く画期的に映りました。レンタルDVD直行の未公開作品も含めて、いろんなサメものが世の中にありますが、今でも僕は随一にお勧めしています。

さて、そんなうえでの本作ですが、サメものとしての基本としてある人間を襲う恐ろしさの描写はなかなか、、、とはいいつつも、襲われるのは主役のナンシーと、予告編にも映っている男2人のサーファーたちのみ。その中で誰が生き残るのか、、、というのは映画を見ていただいて、他に主要なキャラクターがいず、ほぼナンシーとサメとの対決のみになっていきます。これだけ登場人物が少ないと、サメものとしての次から次に悲劇が展開していくという面白さは少し希薄、、それよりも、ナンシーが如何に追い詰められた状況でサバイブしていくのかを魅せるのが、お話の鍵となってくるのですが、そこでの展開が意外に盛り上がらないように感じました。物語的には冒頭にお話のラスト部分につながる、サメに襲われた後から描くのは少し新鮮味がありますが、ベタな家族劇のようなところは正直いらなかったかなと思います。

ラストのサメとの壮絶なバトルは迫力満点なんですが、少し非現実的かなー。。お話としては、現代的でリアルなつくり方をしているだけ、このアクション部も少し異様に映ったかなと思います。それよりもお話よりヒリリとくるのは、序盤で傷ついたナンシーが自ら傷を縫うところ。要所要所でこうした傷や血の味がプンプンとしてくるので、こういうのが苦手な人はちょっと避けたほうがいいかなと思います。でも、全体的にはまとまりがある面白さは感じる作品になっています。

次回レビュー予定は、「ハイ・ライズ」です。

コメントを残す