『フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館3D・4K』:3D・4Kという技術も肩透かし感満載だが、作品としてもっと面白くしないと。。

フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館

「フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館3D・4K」を観ました。

評価:★

イタリア、フィレンツェを代表するメディチ家歴代のコレクションを収蔵するウフィツィ美術館。そのほか、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やシニョーリア広場、国立バルジェッロ博物館などの美術品を「ヴァチカン美術館 天国への入口」のスタッフが3D・4Kで撮影したドキュメンタリー。進行役として、ロレンツォ・デ・メディチをドラマ『スパルタカスIII ザ・ファイナル』のサイモン・メレルズが演じています。日本版のナレーションを担当するのは、テレビ東京系の『美の巨人たち』でもナレーションを務める小林薫。

フィレンツェと聞くと思い出す映画は、「ハンニバル」と今秋に続編が控える「ダ・ヴィンチ・コード」ですかね。もちろん行ったことはないですが、イタリアの中でもローマのような華やいだ雰囲気はないものの、ルネサンスを代表する芸術都市というイメージがあります。そんなフィレンツェを代表する名家メディチ家の美術品は、日本でも美術館の特別展によく企画され、僕も何回か観たことがあります。でも、大聖堂などの建物として存在している芸術品や、彫刻などの数々は日本にいてはなかなかお目にかかることができないもの。それを3D・4Kという映像技術で、映画館にいながら体験できるというのが本作の目玉となる部分。それを単なる映像作品として見せるだけではなく、中世におけるメディチ家の反映と没落をロレンツォによる語りによって、綴っていくという構成になっています。

正直、僕がこの作品を高評価できないのは、単に僕が観た劇場の3Dの質が悪かったからかもしれません。。久々のドルビー3Dでの鑑賞だったのですが、芸術作品を観るのに色調が3Dメガネと、僕自身の近視強制のメガネとの相性が悪いのか、全体的にモヤって見えたし、映像もどこか暗めに写ってしまう。4Kなのに、光量が足りないように見えて、芸術鑑賞にはふさわしくなかったかなと思います。3Dの効果も全然感じることができず、ただ、暗めの映像の芸術ドキュメンタリーを見せられるだけではストレスも貯まるものです。それを差っ引いたとしても、進行とナレーションがどこか単調で、映画作品とはいえず、何か博物館の眠い映像アーカイブを観ている様。BBC放送が動物ドキュメンタリーの歴史を変えているように、もう少しこの芸術ドキュメンタリーを面白く魅せる工夫ということに挑戦してもらいたかったかなと思います。

思い切ってIMAX3Dくらいにして、大画面性をもう少しフューチャーしたほうがよかったかもしれません。IMAXくらいになると光量が自然と上がるので、見栄えももっとするように思います。それでも、IMAX料金を払ってまで見たいと思わせる作品作りが難しそうですけどね(笑

次回レビュー予定は、「葛城事件」です。

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