『心霊ドクターと消された記憶』:ラストの怖さはなかなかだが、全体的にテンポがぬるい心理スリラー。。

心霊ドクターと消された記憶

「心霊ドクターと消された記憶」を観ました。

評価:★☆

「ナルニア国物語 第3章:アスラン王と魔法の島」で脚本を務めた、マイケル・ペトローニによる監督・脚本を手がけた作品。娘を亡くした精神分析医が、1人の少女との出会いをきっかけに、記憶の奥底に封印されていた、20年前の列車脱線事故に秘められた謎に迫ってゆくという心理ミステリー。主演は「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ、共演には「ジュラシックパーク」のサム・ニールが起用されています。

年に何回かある、予告編の印象だけで観ようと思った作品。音楽CDだったら、ジャケ買いをすることがあるでしょうが、僕にとっての映画の”ジャケ買い”みたいな鑑賞です(笑。過去にも、「セルラー」や、「96時間」などの短い尺で良質なハリウッド映画をジャケ鑑賞で発掘してきましたが、本作では残念ながら、そうした良い鑑賞にはつながらなかったかなと思います。ジャンルとしては、ホラーかと思ったら、心理スリラーみたいな感じでしょうかね。全員が「シックス・センス」的な形になるのはいいにしろ、全体的なテンポが鈍く、陰鬱なのがどうも駄目というか、眠気を誘う気がします。これなら、もっと冒頭に怖さを盛らないといけないかなと思います。

ただ、いいなと思ったのは精神分析医に語りかける少女と、分析医の亡くした娘の存在が、心理劇としてうまくオーバラップしていくことでしょう。そのことと事件の真相をつなぎたいんでしょうが、イマイチ線としては繋がっていないように思えます。ですが、事件の真相に迫るほどに少女の存在がホラーっぽくなってくるのもいい。重要な存在なようで、単なるホラー映画の象徴っぽくなっていく訳分からなさが、逆に不条理さを感じる怖さに効果的につながっているのです。でも、作品全体の印象を覆すまでにいっていないのが残念なところです。

次回レビュー予定は、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅲ 暁の蜂起」です。

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