『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』:ヒーローたち総登場のガチバトルは、芸能人大運動会のような和やかさを感じる。

シビル・ウォー

「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」を観ました。

評価:★★★☆

2Dの字幕版にて。

「アベンジャーズ」のヒーローの一人、キャプテン・アメリカが主人公になるシリーズの第3作。「アベンジャーズ」の歴代作品ということを考えると、2008年公開の「アイアンマン」から数えて13作目。テレビシリーズも含めると、それこそ多種多様な拡がりを見せており、もはやレジェント(伝説)化しているといっても過言ではないでしょう。この「アベンジャーズ」も、先日の新「スター・ウォーズ」シリーズと同じくディズニー傘下の作品ということになっているので、ディズニーの見せるキャラクター戦略も凄まじいものがあります。監督は、この後の「アベンジャーズ」続編にも参加が決まっているアンソニー&ジョー・ルッソの兄弟。

ただ、これまでに物語が拡がってくると、あの作品を観ないと、この作品に出てくるコレの意味が分からないなど、全作品を観ていないとスッキリしないという、シリーズ作品が故にマニアック化してくるのも然り。前作の「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」はまさにそんな感じだったと思います。それを反省したかしないか分かりませんが、本作はお話が本当にシンプル。アベンジャーズのヒーローたちが国際的な政府組織の監視下に置かれるという制度に賛成組と反対組に分かれて戦うという、戦いを通じたディベート大会のような、運動会のような内容になっているのです。もちろん、それだけでなく、キャプテン・アメリカの作品として、彼の盟友バッキーの存在がその対立に加わっていき、物語が深まる要素になっている。ヒーローたちのガチバトルを楽しみながら、物語としても進行していくというエンターテイメント作品の王道のような作りになっています。

しかし、ここまでヒーローが登場してくると扱いがいささか軽い薄いキャラクターになってしまうキャラもいるのが惜しいところ。本作だと、新しく登場してくるスパイダーマンでしょうか。僕はてっきり「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが演じるものと思っていましたが、本作で新しいスパイダーマンをリブートさせ、イギリス人俳優トム・ホランドが演じています。彼のスピンオフも近々公開になるということですが、ライミ版スパイダーマンから始まって、役者もコロコロ変わっていたり、同じく新しいキャラクターとして登場してきたブラック・パンサーの描写が深いだけに、その割を食っているような印象が拭えません。これなら「アントマン」のように、先にスピンオフ作を作ったうえで合流させたほうがしっくりくるような気がします。

とはいえ、クライマックスとなってくるバトルシーンはやっぱり楽しい。ガチバトルというよりは、やはりお互い「アベンジャーズ」のメンバーであるので、少し気を抜いたバトル描写になっているところが逆に観ていてほのぼのするように思います。例えが悪いかもですが、70~80年代によく行われていた”芸能人(アイドル)大運動会”のような感じを受けました(笑)。前作よりはシリアスな部分は少ないですが、ボリューム感はしっかりある良作になっています。

次回レビュー予定は、「ズートピア」です。

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