『これが私の人生設計』:わざとダサく作ってあることが、キュート感を増している不思議な作品

これが私の人生設計

「これが私の人生設計」を観ました。

評価:★★★

イタリア発の、とある女流建築家が主人公のヒューマンコメディ。幼き頃から成りたかった建築家の夢を実現したセレーナ。仕事に世界各国を飛び回っていた彼女だが、、ふとすると一人だけのアパートで寂しくインスタントのパスタをすするだけの悲しい日々であることを自覚する。建築家としてトップをいっていた彼女だが、全ての仕事を放り投げ、一路故郷のローマで働き始める。得意の建築分野での職を求めるのだが、未だ男性優位主義の業界で彼女がとった行動とは、、

日本での興行は女性のプロモーターが仕掛けていることもあり、女性が見ると共感できるようなオシャレで可愛い作りになっている作品だと思います。取り扱うテーマとしては「ワーキングガール」のような男性社会への反抗というところなのでしょうが、セレーナはまだその先をいって、その男性優位を逆手にとった策を抗じてくるところが実に痛快。キュートな作品ではあるのですが、あけすけないシーンもふんだんに盛り込んで可愛い枠だけに収めないところが、逆に人間味を感じるコメディにもなっています。

ただ、こうした愛くるしさはイタリア映画ならではなのですが、昨年のベスト10にも選んだ「カプチーノはお熱いうちに」のような映画ならではの演出力に欠けるのが少々残念なところ。登場するキャラクターもキュートな感じがするんだけど、映画向きの配役かといわれると少しずつ薄っぺらい感じがしてなりません。映画作品としては満足できるレベルにはなっているとは思うんですがね。

それにしても最近のイタリア映画というのは、ゲイは普通に登場するのは当たり前になっているんですかね。嫌というわけではなくて、カレーライスの福神漬けのようにあって当たり前になっていることが気になってしょうがありません(笑)。日本も(それも珍しく大阪。。)物語の中に登場してくるので、日本での公開は運命付けられた作品なのかもしれません。

次回レビュー予定は、「中島みゆき 夜会Vol.18」です。

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