『嘘を愛する女』:ズルズルと5年間同棲した相手は謎多き男だった。主演2人の演技合戦がもう少し観たかった、、と思うくらい、話のボリューム感が小さい。。

嘘を愛する女

「嘘を愛する女」を観ました。

評価:★★

一流企業に勤める由加利は、謎が多い男・桔平と同棲中。付き合って5年目を迎えようとしていたとき、由加利は桔平を親に会わせようとするが、約束した当日、待てど暮らせど彼は現れなかった。その日、自宅で帰らぬ彼を待っていたところ、突然警察がやってくる。桔平がくも膜下出血で倒れたと知らされるが、所持していていた運転免許証はデタラメで、彼は身元の全てを偽っていたことを知る。ずっと騙されていたことにショックを受けつつも、由加利は桔平がどんな人物なのか調べようとしていくのだが。。新たな才能を発掘するTSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015グランプリ受賞企画を、長澤まさみ、高橋一生ら出演陣を迎え製作した作品。「single」でぴあフィルムフェスティバル観客賞を受賞、CMディレクターとして活躍する一方、自主映画の制作を続けTCP2015グランプリに輝いた中江和仁が監督しています。

もう若手というより、ベテラン俳優の域に達してきた長澤まさみと、長く芸能界で活動してきたものの、昨年(2017年)の大河ドラマでのブレイクなどで近年活躍の場を増やしている高橋一生がタッグを組んでいる作品。確か、この2人はドコモのCMとかでも共演していなかったかなと思いますが、演技派の2人の味が生きるべき作品、、には少しならなかったかなというのが正直な感想。というのも、お話を見れば分かるのですが、高橋一生が演じる桔平というのが作品の序盤でくも膜下出血で倒れてしまい、あとはほとんどが病院のベット上に寝ている設定になってしまう(もちろん、謎を解いていく回想部分では登場するのですが、、)のです。2人の演技合戦を期待して鑑賞していた身としては少し裏切られた感がしますし、作品もほとんどが長澤まさみで引っ張っている感がしなくもないので、それだけでは苦しいなという感じがしてしまうのです。

作品の中盤以降は、謎の同棲相手・桔平の過去を辿りながら、なぜ彼が身分を偽っていたのかを解明していくミステリーになるのですが、これもネタになっている事件が少し弱いかなと思います。映画としては、吉田鋼太郎演じる探偵の海原とともに、瀬戸内を巡っていく部分とかはロードムービー感もしなくもないですが、映像としてはまだしも、話のボリュームがいかんせんテレビの2時間枠くらいしかないように思えてしまう。そう思うと、高橋一生を序盤で眠らせてしまっている(笑)のが残念で仕方ないように思うのです。まぁ、魅惑的な一面を魅せたDAIGOの探偵助手感が妙にハマっていたのが、せめてもの救いのように思えてきます。

次回レビュー予定は、「祈りの幕が下りる時」です。

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