『ガーディアンズ』:ここ数年はアクションに磨きがかかっているロシア製ヒーローもの。アクション以外の要素がすごく手薄なので、観ていて苦笑しか出てこない。。

ガーディアンズ

「ガーディアンズ」を観ました。

評価:★

冷戦下のソ連では、違法な遺伝子操作により特殊な能力を持つ超人を生み出す”パトリオット計画”が進行していた。しかし、科学者クラトフの裏切りで研究所は爆破され、製造された超人たちも姿を消してしまっていた。50年後、自ら超人となったクラトフが国を崩壊させようとする。政府は秘密裏に世間から抹殺されてしまった計画を再び掘り起こし、バラバラになっていた超人たち、アルスス、レア、ハン、クセニアの4人を結集させる。彼らも失った記憶とアイデンティティーを取り戻すため、クラトフに闘いを挑むのだった。ロシア発ヒーローアクション。監督は、「クライム・スピード」のサリク・アンドレアシアン。

あまり注目はされていないですが、ここ数年のロシア映画は凄いのです。特に、アクション映画ではハリウッドを凌ぐくらいのものがあり、代表的なものだと2004年にティムール・ベクマンベトフ監督によって作られた「ナイト・ウォッチ」なんかの作品も覚えておられる映画ファンもいるのじゃないかな(彼は、ハリウッドでもアンジェリーナ・ジョリー主演で、「ウォンテッド」というキレのあるアクション作品も成功させています)と思います。それでも大抵はそのままDVD直行の作品(劇場未公開)になるものが多い中、久々に劇場にかかったロシアアクション大作が本作。何と言っても、見どころはアクションというところになります。ホントにアクションの骨太さやVFXのクオリティの高さは凄いの一言。下手なCG感満載なチープ・ハリウッド作品より、本作のほうが映画を観た感には浸れます。ただ、それ以外が驚くほど出来が悪いですが、、(笑)。

お話としては、完璧に「アベンジャーズ」(その中でも、キャプテン・アメリカかな笑)+「X-MEN」+「ファンタスティック・フォー」のパクリとも言えるところでしょう。まぁ、それはまだ許せるとして、話の筋のつくり方に??がいっぱい出てくるのです。どうして、こんな形になっているんだろうと観ながら自己分析してみたのですが、お話の進め方が、(1)まずアクションシーンをとりあえず見せる、(2)そのアクション後、登場人物たちがなぜ戦ったのかの説明を延々と独白していく、、という流れになっているのです。普通、これは逆でしょう。まず、戦う動機があってから、戦うべきなのに、本作はとにかくアクションをまず見せたい見せたいという欲求が先に出てしまっているのです。それに動機の部分についても、映画だから映像で見せればいいのに、戦う理由は延々と台詞で聞かされるだけ。舞台劇なら、限られた空間での描写を省略するために、事後のエピソードをナレーションや登場人物の独白で済ませることは往々にありますが、それを映像作品でやるかもどうかと思います。アクションは魅せますが、それだけでは映画一本引っ張るのは難しいなと改めて思わされます。

まぁ、そういう演出的なこともド返ししても、超人たちがなぜクラトフを恨むのかという理由も分からないままなんですよね。超人たちが志願兵なのか、それとも訳もなく実験体にさせられた被験者なのか、、その辺りも不明なままなので、超人たちが何に葛藤しているかもよく分からない。わけもわからないまま、ただアクションに浸れという、つまらなくはないけど、ある意味ちょっと苦行な作品になっています(笑)。

次回レビュー予定は、「8年越しの花嫁 奇跡の実話」です。

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