『人生は小説よりも奇なり』:作品の雰囲気はいいが、テーマがあまりにボンヤリ過ぎる。。

人生は小説よりも奇なり

「人生は小説よりも奇なり」を観ました。

評価:★☆

ニューヨークを舞台に、長年連れ添ったカップルが結婚を機に巻き込まれる悲喜こもごもを描いた作品。ちょうど今年同じような内容に加え、長年住んだ家を売るというイベントを盛り込んだ「ニューヨーク、眺めのいい部屋売ります」という良作がありましたが、本作は家を売るのではなく、家を失ってしまうというところが違うのと、長年連れ添った夫婦ではなく、長年連れ添ったゲイカップルが結婚していくというところが少々違ってきます。それでもニューヨークのお洒落な空気感は同様のところがあって、観ていて気持ちのよくなる作品に仕上がっています。

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『ちはやふる 上の句』:部結成に絡むサブキャラクターたちの描写が実にいい、役者陣の演技も完璧!

ちはやふる 上の句

「ちはやふる 上の句」を観ました。

評価:★★★★

高校の競技かるた部を舞台にした末次由紀の同名コミックを、「タイヨウのうた」、「ガチ・ボーイ」の小泉徳宏監督が映画化した作品。本作、「上の句」は二部作の第1作目にあたり、「下の句」が続編2作目として既に準備されています。この映画感想文を書いている段階では、実は続編の「下の句」ももう観てしまっているのですが、今回は「上の句」だけに限定した感想文としたいと思います。主演は、「海街diary」の広瀬すずが務めています。

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『リップヴァンウィンクルの花嫁』:現代社会の縮図を見事に表現。岩井俊二監督の最高傑作!!

リップヴァンウィンクルの花嫁

「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観ました。

評価:★★★★★

「花とアリス」の岩井俊二が監督・脚本・原作を手がけた作品。岩井監督は「花とアリス」以降も様々な作品のプロデュースをやったり、監督業も続けたりしていますが、本格的な劇映画を観るのは「花とアリス」以来の12年ぶり(以前、観たのは大阪だったなー)。主演を務めるのは、昨年の邦画No.1に上げた「幕が上がる」を始め、数々の映画、テレビドラマに引っ張りだこの黒木華がどっぷりの主演作品となっています。岩井作品は「花とアリス」、「スワロウテイル」、「リリイ・シュシュのすべて」くらいしか見ていないですが、僕の中で本作が最高傑作ともいえる作品に仕上がっています。

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『幸せをつかむ歌』:何もかも、俳優メリル・ストリープの凄さを実感できる作品!

幸せをつかむ歌

「幸せをつかむ歌」を観ました。

評価:★★★

アカデミー賞でもノミネートの常連で、今でも第一線を走り続けている名女優メリル・ストリープ。彼女が実娘のメイミー・ガマーと、親子役で共演したのが本作。メリルが演じるのは、今でも夢を追いかけロックミュージックの歌手としてステージに立ち続ける女性リッキー。しかし、実状は街のしがないライブハウスで歌うしかなく、当の昔に離婚をし、息子や娘たちとは離れて、きままな一人暮らしをしていた。ある日、別れた元旦那から娘の夫が浮気をし、そのまま捨てられたという連絡を受ける。過去に自殺未遂を起こした娘だけあって、リッキーはなけなしのお金をはたいて娘に会いに行くのだが。。本作のメガホンを取るのは、「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ。

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『偉大なるマルグリット』:”裸の王様”の物語が如何に現代にも通じる物語かを痛感させる良作!

偉大なるマルグリット

「偉大なるマルグリット」を観ました。

評価:★★★☆

実は音痴なのに、周りの声援でパリでリサイタルを開こうとする富豪の奥方の物語。実在した型破りの歌声の人気ソプラノ歌手に着想を得た物語だといいますが、それはあくまで着想のみで、音痴かどうかというのは本作独自のアレンジではないかと思います。監督・脚本は「情痴/アバンチュール」のグザヴィエ・ジャノリが、主人公の無邪気な男爵夫人を「大統領の料理人」のカトリーヌ・フロが演じています。

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