『デトロイト』:街が戦場とかした、1967年のデトロイトで起きた悲劇。緊張状態に置かれたときにどういう判断が人としての正しさなのかを考えさせられる一作!

デトロイト

「デトロイト」を観ました。

評価:★★★★★

1967年夏。アメリカ・デトロイトで大規模な暴動が発生する。暴動発生から2日目の夜、街が戦場とかす中、ミシガン州軍が終結している地点で銃声が発生したとの通報があった。現場近くのモーテルにデトロイト警察、ミシガン州警察、ミシガン州軍、地元の警備隊など複数が乗り込み、現場の証拠押収に躍起になっていた。その最中、何人かの警官が捜査手順を無視し、宿泊客に不当な尋問を始めたことから、誰も彼も構わず脅迫し、自白を強要する”死のゲーム”が始まっていく。。「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグローが、1967年暴動発生時のデトロイトで実際に起きた事件を映画化した作品。

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『茅ヶ崎物語 MY LITTLE HOMETOWN』:桑田佳祐を生み出した茅ヶ崎を様々な角度から分析するブラタモリ風ドキュメンタリー。こういう形でもエンタテイメントできることに感心するとともに、ラストはお腹いっぱいな気分になれる!

茅ヶ崎物語

「茅ヶ崎物語 MY LITTLE HOMETOWN」を観ました。

評価:★★★★

茅ヶ崎出身で洋楽ポップスのプロモーター、そして日本一のレコードコレクターでもある宮治淳一。小中学校時代、桑田佳祐と同級生だったという宮治は“サザンオールスターズ”の名付け親としても知られている。数々の音楽人を輩出し、多くの文化人とも所縁の深い土地である茅ヶ崎の芸能史を自らの手で執筆・編纂するという作業を密かに始めていた宮治。そしてより多角的に茅ヶ崎を捉えていく上で、人類学者中沢新一に協力を依頼。中沢は自身のライフワークでもある“アースダイブ”という手法で、数万年規模というマクロの視点から茅ヶ崎の秘密を探っていく。茅ヶ崎をたどることで、桑田佳祐へと行き着き、さらにその先に日本人の心までも垣間見る二人。また、茅ヶ崎に縁の深い加山雄三へのインタビューを敢行、高校生時代の宮治の記憶をもとに撮影されたドラマパートでは、宮治にとって運命の分岐点となった“桑田とのある出来事”が描出される。茅ヶ崎出身のミュージシャン、桑田佳祐を核に“芸能の地、茅ヶ崎”の秘密を探る音楽探訪記。宮治淳一、中沢新一の2人が、監督を務めた「人狼ゲーム」の熊坂出と共に茅ヶ崎と芸能との関係性を多角的に分析したドキュメンタリー。

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『泥棒役者』:舞台劇の面白さが詰まった強盗&勘違いハートフル・コメディ!安定度は高いけど、もう少し意外性のあるドラマが欲しかった。。

泥棒役者

「泥棒役者」を観ました。

評価:★★★

泥棒稼業から足を洗った大貫はじめ。彼は一時期は金庫破りを稼業としていたものの、今は真面目に溶接工として働き、恋人の美沙との幸せな同棲生活を送っていた。しかしある日、彼女との待ち合わせの場で偶然出くわした強盗の元仲間に脅され、元泥棒という過去を彼女にバラされたくなかったら、これから行う豪邸での強盗計画に参加するように強要する。渋々泥棒仲間に協力することにしたはじめは、かつては売れっ子であった絵本作家の豪邸に侵入したところ、無人だと思われていた館にはその絵本作家・前園俊太郎が在宅していた。仲間は何とか見つかる前に隠れたものの、はじめは前園と偶然出くわしてしまう。絶体絶命、、のはずだったが、前園から新しく来た編集者と勘違いされたことを発端に、屋敷で出会う人から次々に別人に勘違いされ、大騒動になっていく。。「小野寺の弟・小野寺の姉」の西田征史監督が2006年に作・演出した舞台を、関ジャニ∞の丸山隆平を主演に迎え映画化した作品。

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『DESTINY 鎌倉ものがたり』:生者と死者の魂が交錯する街・鎌倉で展開するファンタスティック・アドベンチャー。山崎監督の持ち味と役者の演技の巧みさが作品を凄く面白いものにしている!

DESTINY 鎌倉ものがたり

「DESTINY 鎌倉ものがたり」を観ました。

評価:★★★☆

幽霊や物の怪が生息する鎌倉。そして、ここは魔界や黄泉の国の間で、生者と死者が交錯する都でもあった。この地で静かに暮す一色正和は売れっ子になりきれないミステリー作家でありながら、この地で起こる現世人だけでなく、妖怪、幽霊、魔物など様々な人々を巻き込む怪奇事件に対し、警察に捜査の協力をしていた。そんな一色のもとに、歳の離れた若い妻・亜紀子が嫁いでくる。最初は、この不思議な妖気漂う鎌倉の地に慣れなかった亜紀子ではあったが、徐々に一色との鎌倉での生活を楽しめるようになってくる。そんな中、ある大金持ちが殺害される事件が発生する。いつもの通り、一色は警察から捜査協力を求められるが、事件の捜査を進めるうちに、静かだった亜紀子との新婚生活すら徐々に脅かされるようになってくる。。山崎貴が『三丁目の夕日』に続いて、西岸良平のベストセラーコミック『鎌倉物語』を映画化した作品。

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『地の塩 山室軍平』:明治近代化の波の中で平民として奔走した社会福祉のヒーロー! お話としては面白いのに、映画としてはもう二工夫くらい必要な作品。。

地の塩 山室軍平

「地の塩 山室軍平」を観ました。

評価:★★★☆

明治5年。貧しい農家に生まれた軍平は、9歳のときに質屋に奉公に出されるものの、15歳のときに勉強をしたいという思いから上京をする。働きながら学ぶ機会を探していた軍平は、とあるときにキリスト教の救済の精神と出会い、新島襄に教えを請うために京都の同志社大学に向かい、そこで多くの仲間たちと出会う。しかし、時は富国強兵の世の中。急速な近代化に合わせるような宗教観が進む中、キリスト教の慈悲の心に畏敬の念を感じた彼は、同志社を去り、労働者と同じく平民として生きる立場をとっていく。やがて人々を救う精神をもった救世軍に出会った軍平は、そくさま入隊し、娼妓自由廃業運動をはじめ苦しむ人々を助けることに生涯を捧げていく。。日本における社会福祉の先駆者・山室軍平と同志たちの軌跡を追った、「密使と番人」の森岡龍主演の伝記ドラマ。山室軍平と同じく同志社大学出身の東條政利監督が、山室軍平の思いを継ぐ人たちへのインタビューを交えながら、彼の生涯にフォーカスする。

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