『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』:家と人の人生はうまく回っていくと、人生そのものが楽しくなることを素直に描いている作品

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」を観ました。

評価:★★★★

全米ロングセラーとなっている同名小説を、「ウィンブルドン」のリチャード・ロンクレインが映画化した作品。ニューヨークに古くあるアパートメントで、年老いたために部屋を売りたい老夫婦のドタバタ模様をハートウォーミングに描きながら、その老夫婦がそのアパートメントで暮らしてきた日々をフラッシュバックを挟みながら描いていく作品。老夫婦を演じるのは、「ミリオンダラー・ベイビー」のモーガン・フリーマンと、「クーパー家の晩餐会」でも元気な姿を見せていたダイアン・キートンが小気味いい演技で魅せてくれます。

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『の・ようなもの のようなもの』:人間が生きていく中で必要なものを、優しい眼差しで描く良作!

の・ようなもの の ようなもの

「の・ようなもの のようなもの」を観ました。

評価:★★★

2011年に若くして急逝した森田芳光監督。彼の代表作でもある1981年に製作された「の・ようなもの」の35年後を、森田組で長年助監督として支えた杉山泰一監督が映画化した作品。「の・ようなもの」で登場した主人公の落語家・志ん魚が、演じた伊藤克信(この人も久々にスクリーンで見た気がしますが、、)がそのまま落語を辞めた同役として出演しているほか、師匠となった志ん米などの他のキャラクターも35年前のままのキャストで出演しています。故・森田監督に捧げる鎮魂歌的な作品となっているとともに、落語映画らしい人情溢れるお話になっているのも、なんだか見ていてホンワカした気分になってくるいい味わいの作品となっています。

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『信長協奏曲』:TVシリーズの面白さはそのままだが、結局TVドラマファン向けの映画に留まっている。。

信長協奏曲

「信長協奏曲(のぶながコンチェルト)」を観ました。

評価:★★☆

2014年にTVドラマ化された、石井あゆみ原作の同名コミック映画化作品。僕は最初、予告編でこういう面白そうな作品があることを知り、TVドラマシリーズを見直し、原作コミックも1巻だけ読んでからの鑑賞となりました。基本はTVドラマの延長にある映画化作品であり、原作コミックの味わいは少々薄いような気もしますが、ドラマ版の発想力の豊かさというのは、原作の目の付け所の良い面白さというところからきていることを、本作でも、また振り返って見たドラマシリーズでも感じました。主演の信長と入れ替わってしまう高校生サブローを小栗旬、信長の妻である濃姫・帰蝶を柴咲コウが演じています。

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