『ムーンライト』:孤独に育ってきた1人の少年を巡る小さな愛の形。アカデミーがこんなに小規模の作品にスポットを当てたことが革命的!

ムーンライト

「ムーンライト」を観ました。

評価:★★★★

学校では背が低いことから、”リトル”という名でいじめられる日々を送っていた内気な少年シャロン。彼はある日、いつもの通りに追いかけられる学校の仲間たちを振り切ると、周囲からは物騒な地域と呼ばれる地区に迷い込む。そこでシャロンを救ったのは、麻薬ディーラーのフアンだった。根無し草で這い上がってきたフアンは父親のいないシャロンを息子のように可愛がる。麻薬と男に溺れる母親に代わって、シャロンはフアンにいろいろなことを教わりながら成長していく。高校に進学したシャロンだが、周囲の状況は全く変わらない中、男友達のケヴィンと絆を結ぶ。家庭でも、学校でも孤立していたシャロンは、やがてケヴィンに惹かれて行くが。。。第89回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞など3部門を受賞したドラマ。監督は、これが長編2作目となるバリー・ジェンキンス。

続きを読む “『ムーンライト』:孤独に育ってきた1人の少年を巡る小さな愛の形。アカデミーがこんなに小規模の作品にスポットを当てたことが革命的!”

『モアナと伝説の海』:自然描写のリアルさにとことんびっくりさせられる。お話も日本人ウケしやすいと思う!

モアナと伝説の海

「モアナと伝説の海」を観ました。

評価:★★★★

日本語吹替え版にて。

数々の伝説が残る島で生まれ育ち、ある体験から海と運命的な絆で結ばれた16歳の少女・モアナ。彼女は小さいときから、海に愛されて、海とともに育ってきた。海への冒険への憧れを持ちつつ、首長である父親の跡取りとして、島のことも気に留めていた。そんな中、暗礁の向こうへは行ってはいけないという島の掟ができた理由を、祖母タラから告白される。それと同時に、全能の女神テフィティのハートが半身マウイによって奪われたことにより、やがて島の平和は脅かされるようになることを予期される。タラの教えの通り、どこかともなく闇が訪れ、果物は果物は腐り、魚は獲れなくなり、生活は危機的状況になりつつあった。モアナはマウイを探し、奪われたテフィティのハートを探すべく、大海原へ冒険に旅立つ。「リトル・マーメイド」「アラジン」のロン・クレメンツ&ジョン・マスカーが贈る、美しい南の海が舞台のディズニー・アニメーション。

続きを読む “『モアナと伝説の海』:自然描写のリアルさにとことんびっくりさせられる。お話も日本人ウケしやすいと思う!”

『マリアンヌ』:戦時下で育まれる愛と生じた疑念。ゼメキスにしては凄く王道なラブロマンス!

マリアンヌ

「マリアンヌ」を観ました。

評価:★★★

1942年、カサブランカ。マックスは連合国軍の極秘作戦に参加し、フランス軍のレジスタンスとして活動をしていたマリアンヌと出会う。最初は偽装夫婦として生活をともにしながら、ドイツ軍に対する諜報活動に徹していた2人であったが、いつしか互いが惹かれ始めていることを感じていた。極秘作戦後、今なお空襲の激しいロンドンで再会した2人は、戦時下ではあるがやがて結ばれることになる。しかし、マリアンヌには夫には明かすことができない、ある秘密があるようだった。。ブラッド・ピット&マリオン・コティヤール共演で、ロバート・ゼメキスがメガホンを取ったラブストーリー。

続きを読む “『マリアンヌ』:戦時下で育まれる愛と生じた疑念。ゼメキスにしては凄く王道なラブロマンス!”

『皆さま、ごきげんよう』:いつの時代も流れる人間の普遍性を描くイオセリアーニ。本作はちょっと掴みどころがないかな。。

皆さま、ごきげんよう

「皆さま、ごきげんよう」を観ました。

評価:★★☆

いつの時代も闘争と喧騒の中で人々は生きている。時は現代のパリ。アパートの管理人で武器商人の男と骸骨集めが大好きな人類学者は、切っても切れない縁で結ばれた悪友同士。そんな彼らを取り巻くちょっとユニークな住人たち。覗きが趣味の警察署長、ローラースケート強盗団、黙々と家を建てる男、没落貴族、気ままに暮らすホームレス、そしてお構いなしに街を闊歩する野良犬たち。。ある日、街で大掛かりな取り締まりが始まり、ホームレスたちが追いやられてしまうことに。そんな街の緊急事態に人々は立ち上がっていく。。「汽車はふたたび故郷へ」のオタール・イオセリアーニ監督が81歳にして紡ぎ出す人間賛歌。

続きを読む “『皆さま、ごきげんよう』:いつの時代も流れる人間の普遍性を描くイオセリアーニ。本作はちょっと掴みどころがないかな。。”

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』:バートンが地に足をついた物語の中で送る楽しいダーク・ファンタジー。興業が地味だが、すごく拾い物の秀作!

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を観ました。

評価:★★★★

通常2D字幕版にて。

孤独な少年ジェイクにとって、いつも楽しい話をしてくれる祖父は唯一の心の拠り所だった。しかし、その祖父がある日、突然謎の死を遂げる。祖父の遺言に従って、ジェイクは父と小さな島を訪れる。その島の奥には祖父に聞かされ、祖父の部屋でも目にした古い廃墟となっている屋敷があった。だが、その屋敷には不思議な魔法がかかっており、数十年前の世界とつながっていたのだった。そこで、その屋敷に暮らすミス・ペレグリンと奇妙な子どもたちに出会うのだが。。ティム・バートン監督がランサム・リグズの小説『ハヤブサが守る家』を映画化したファンタジー作品。

続きを読む “『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』:バートンが地に足をついた物語の中で送る楽しいダーク・ファンタジー。興業が地味だが、すごく拾い物の秀作!”