『ゴールド 金塊の行方』:何が一体起きたのか、、という金を巡る物語ながらも、根底にあるのは熱い男同士の友情物語!

ゴールド 金塊の行方

「ゴールド 金塊の行方」を観ました。

評価:★★★☆

父親が大きくした鉱山ビジネスを継いだケニーだが、ビジネスに失敗し、破産寸前に追い込まれていた。僅かに残った財産を賭け、一発逆転を狙って、インドネシアのジャングル奥深くにあるという鉱脈に全てを託していた。調査を進めていったところ、巨大金鉱を掘り当て、一躍巨万の富と名声を得たケニー。だが、そんなある日、170億ドルもの金塊が消えたというニュースが飛び込み、ケニーに嫌疑がかかるのだが。。1990年代、アメリカ経済に大混乱をもたらした詐欺事件、通称“Bre-X事件”を基にマシュー・マコノヒー製作&主演で映画化。「トゥームレイダー」のジョン・ジンマンとパトリック・マセットが脚本を務め、「シリアナ」のスティーヴン・ギャガンがメガホンを務めた作品。

「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー賞を獲得し、ノーラン監督との「インターステラー」などの作品でも名演を魅せて、中堅どころながらも、もはや名俳優の域に入っているマニュー・マコノヒー。僕が映画を見始めた当初は「ウェディングプランナー」などのラブロメに出ている若手俳優というイメージだったのですが、月日が経つのは早いものです。。そんな彼がハゲ頭にメタボ腹で挑む中年の役どころが、本作のいろいろ追い込まれっキャラになっている本作でのケニー。素晴らしく出来た父親の会社を、その跡を継いだ息子が一代で潰すというのはよくあることですが、このケニーもこうしたバカ息子にならないように奔走していく彼の姿が(中年ハゲ頭であろうが)どこか愛おしく見えてくるのです。

僕は本作の元ネタとなっている“Bre-X事件”というのを知らなかったので、こんなことが本当に起こるんだ(と、映画のネタにもなっているので触れませんが)と感じさせられました。いわゆる先物取引というか、情報が先行するだけでマネーが動くという市場主義的な現代社会の怖さも感じながらも、物語の芯の部分にあるのは男同士の友情というか、同志愛という部分で、それがしっかり描かれるのは好印象です。それはケニーと採掘人マイケルの友情もそうですが、回想的にしか描かれないケニーと父親とのつながりも、そんな男同士だから分かる熱い関係なのかなと思います。マシューのハゲ頭も含め、男らしさがムンムンと漂う良作だと思います。

次回レビュー予定は、「あの日、兄貴が灯した光」です。

コメントを残す