『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』:感情を失った主人公が起こす物語に、果たして感情は伴っているのか?

素敵なサプライズ

「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」を観ました。

評価:★☆

人生に嫌気がさした大富豪の主人公が、何気ない事故に見せかけた自殺幇助のサービスを利用していくことで、思いもよらぬ展開に巻き込まれていく人生コメディ。監督・脚本は、「キャラクター 孤独な人の肖像」のマイク・ファン・ディム。

映画感想文に何度か登場する予告編だけ観て面白そうと思い、観てみようと思い立った映画、、が確かに、予告通りに物語は進むんですが、なぜかそんなに面白くない。。この状況が面白かったです(笑)。主人公が引くほどの大富豪というのも、どうも共感できなかったんですよね。まるで、何もかも人生の唯も甘いも知ってしまったので、もう何もいらないので、この世を去るという形になるみたいで。僕的には何か人生に絶望したことがあって、そのために自殺幇助サービスに頼むことにしたけど、いろいろドタバタしていくうちに人生の楽しさを再び見出していくという意味になっていくのかと思っていました。いわゆる、「素晴らしき哉、人生」のパターンですね。ところがそうはならず、ひたすら何か人生を回していくために死を求め、そして死を回避していくために必死になるだけにしかみえない。主人公の気持ちが見えないので、そうした空転劇にしか思えて仕方なかったです。

終盤も複雑に手を込んだ割に、恋愛ドラマとしても、サスペンスとしても、イマイチぱちっと決まったところが見せれなかったかなと思います。葬儀屋でのバタバタのシーンで大方予想はついてしまいましたし。。それよりも、最後の1つの死を迎えるところはちょっとホロッときましたかね。これがあるから、冒頭でのシーンが生きてきたと思います。ここのシークエンスのみで映画になる要素としては成立しているかと思いますが、予告編で感じられるような期待度には届かなかった印象です。

次回レビュー予定は、「エンド・オブ・キングダム」です。

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