『レヴェナント 蘇えりし者』:迫る映像力に圧巻される作品! 映画館で観るべき映画とはこういうことをいうのかも。

レヴェナント 蘇りし者

「レヴェナント 蘇えりし者」を観ました。

評価:★★★★

レオナルド・ディカプリオと「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」などの作品で知られるアカデミー賞監督、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督が初タッグを組んだ作品。「タイタニック」以降、何度もアカデミー主演男優にノミネートされながら、未冠だったディカプリオが、近年アカデミー監督賞(ちなみに本作も)を連続受賞しているイニャリトゥと組んだことで初受賞となった作品でもあります。いわゆる実話に基づいた原作がある作品ですが、映画ならではの映像の力感が溢れる作品になっています。

舞台になるのは、開拓時代のアメリカ西部の未開拓な荒野。イギリス人将校(?)の指揮に依り、未開拓な土地に足を踏み入れる開拓集団に加わっているディカプリオ演じる狩人ヒュー・グラスは、原住民族との間に息子を授かり、その子とともに開拓集団の中で暮らしを共にしていた。ある日、熊に襲われて瀕死の重傷をおったグラス、開拓集団自体も原住民族に襲撃を受け、ベースキャンプに移動している最中というところ。動けず足手まといになると判断したメンバーのジョン・フィッツジェラルドはグラスを殺しにかかる。その際、止めようとした息子は殺され、グラスも息の根を止められたかに見えた。しかし、極寒の地で生き延びたグラスは愛する我が子を殺された復讐に燃え、ジョンをひたすら追い続ける決心をつけるのだった。。

「バードマン」もすごい映像力を魅せた作品でしたが、未開拓のアメリカ荒野に熱き男たちの間に繰り広げる様は、本当にすごい力感のある映像を見せてくれます。西部開拓時代を描いた映画というのは、(ウエスタンものは別にして)、「ダンス・ウィズ・ウルブス」にしても、「ニューワールド」にしても、映像の力がある作品が多いのですが、それでも男っぽさをより一層感じます。それも映像に使われるのが、白や黒を基調にした寒色系のモノトーンに統一されていることも要因にあるように思います。特にオープニングの襲撃シーンは、そうした寒色系の色合いに、火の赤がいい形で混在となるので、映像の色合いとしては最高(中身関係ないですが笑)。そこに長回しなどのカメラテクニックも効果的に挟まっています。また今回はIMAXではなかったですが、そこそこ大きなスクリーンで観ると、(3Dではないものの)映像の中に引きこまれるような感じをも受けます。

お話のほうも複雑な設定はなしで、単純な復讐劇に抑えてあり、登場人物が少ないことで、より一人一人のキャラも立っているように思います。「ニューワールド」でもそうでしたが、アメリカ開拓時代ってなんでこんなに神秘的な映像に仕立てることができるのでしょうね。時代としてはほんの数百年前に過ぎないのに、映像だけで物語が自然に紡がれていくように思うのは、原住民たちの神秘主義に依るモノなのでしょうかね。

次回レビュー予定は、「母よ、」です。

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