『ジオストーム』:気象をコントロールする衛星を巡るディザスター&サスペンスムービー。話はすごく薄っぺらいが、コンパクトな上映時間中は楽しめること必死のハリウッド大作!

ジオストーム

「ジオストーム」を観ました。

評価:★★

未曾有の自然災害に遭遇するようになった地球と人類を守るため、アメリカ主導で世界中の英知を結集し、地球の気象をコントロールする人工衛星が開発される。運用が開始されてから2年。人類はその恩恵を受け、地球では災害による死傷者は激減し、開発された衛星はアメリカから国際連合の管理下に移されようとしていた。そんな最中、衛星をコントロールし、実質的に地球の天候を制御する気象宇宙ステーションがウィルス感染により暴走を始める。東京銀座のど真ん中に直径5メートルを超える雹が降り注ぎ、インドではすべてを飲み込む巨大な竜巻が発生、リオでは5mを超える大津波と寒波が同時に襲来し、香港では地下のマグマが突如吹き出し街を焼き尽くす。こうした世界各地で起こる大災害はいつしか人類が経験したことない、巨大な嵐”ジオストーム”の襲来を招くことになっていく。。「インデペンデンス・デイ」脚本のディーン・デヴリン監督によるディザスター・アクション大作。

ローランド・エメリッヒ監督もビックリのディザスターもの、、と思ったら、「インディペンデンス・デイ」(エメリッヒ監督作)でも組んでいた方だとか。ただ、本作はディザスター(災害)ものといいながらも、その災害を起こすのはドラえもんもビックリな人工衛星なので、人工的なディザスター・ムービーなのかな(笑)と思います。とはいえ、CMや予告編で観られるような災害場面もスクリーンだと大迫力で伝わってくるので、さすがハリウッド大作という力量は感じることができます。

とはいえ、本作は例えばエメリッヒの「デイ・アフター・トゥモロー」や、「2012」のようなディザスター・パニックに比べると厚みが足りないのは確か。いや、足りないというより、お話が薄っぺらいんですよね。気象コントロール衛星を開発した兄弟の確執とか、兄とその娘の仲が微妙なこととか、弟のほうも謎多きホワイトハウスのシークレットサービスと付き合っているとか、いろんなエピソードが盛り込まれるんですが、どのドラマも凄くお手軽にサッと描かれるので、どんなにキャラクターが面白そうでも自動的に薄まってしまう。。それには上映時間が2時間にも満たない(109分)ということも関係しているのかなと思います。エメリッヒだったら二時間超えは当たり前な長尺な中、災害に翻弄されながらも、その中で交錯する人間ドラマを曲がりなりにもあぶり出すんですが、このコンパクトな上映時間では災害の描写もあるし、衛星や宇宙ステーションを混乱に追い込んだ犯人は誰だというサスペンスの部分で手一杯。なので、全てがリモコンで早送りしているように事が過ぎていくのです。まぁ、分かりやすいといえばそれまですが、それであっさりと災害の被害になってしまう人は少し可哀想にも思えてきます。。

とはいいつつも、本作は決してつまらなくなっていないのも凄いところだと思います。ドラマは薄っぺらくても、災害シーンはもとより、終盤に犯人を追い込むカーチェイス+災害襲来攻撃やら、宇宙船で兄が生き残っていくサバイバルアクションの部分や、物語の核になっているサスペンスの部分もハラハラ・ドキドキ感は満載。ビックリするところはないものの、ハリウッドらしい大作をスクリーンで観たいと思っている人には意外にオススメだと思います。

次回レビュー予定は、「パディントン2」です。

コメントを残す