『ベイビー・ドライバー』:主人公が聴く音楽に合わせるようなテンポあるカースタント・ムービー!、、だけど物語としてはちと青臭い気が。。

ベイビー・ドライバー

「ベイビー・ドライバー」を観ました。

評価:★★

天才的なドライビング・センスを買われ、組織の逃がし屋を務める青年“ベイビー”。そんな彼が最高のテクニックを発揮するための小道具は、完璧なプレイリストが揃っているiPodだった。子供の頃の事故の後遺症で耳鳴りが激しい“ベイビー”だったが、音楽にノって外界から完璧に遮断されると耳鳴りは消え、イカれたドライバーへと覚醒する。だがある日、運命の女性デボラと出会った彼は、犯罪現場から足を洗うことを決意する。ところが彼の才能を惜しむ組織のボスにデボラの存在を嗅ぎ付けられ、“ベイビー”は無謀な強盗に手を貸すことになるのだが。。「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」のエドガー・ライト監督によるクライム・アクション。

先日観た「新感染 ファイナル・エクスプレス」と同じく、本作も当初観る予定ではなかったのですが、高評価なので観てみた作品。「新感染」は評価される理由というのは何となく分かる良作でしたが、本作についてはちょっと僕の趣味からは外れてしまっているかなと思います。誤解なきように言うときますが、「ワイルド・スピード」や「トランスポーター」などのいわゆるカーアクション映画は大好きなんです。でも、本作はカースタントの描写は確かにリズムカルで良いのですが、肝心のお話が少し血生臭すぎるというか、後味が悪い作品になっていると思います。これなら「ワイルド・スピード」のような戦車や潜水艦も入れた超ド級のカースタントをしてみるとか、「トランスポーター」のようなステイサムの肉体美を強調するアクションプレイを入れるほうがまだマシかなと思ってしまいます。

カースタントの部分は抜きにしたストーリーラインは、「レザボア・ドッグス」のタランティーノに若干意識があるかなと思いました。まずは報酬のためには血を見ようが何でもやってしまう組織に集う個性的な強盗たちに、それを牛耳るケビン・スペイシー演じる組織集団のボスがいる。彼らにこき使われる形の”ベイビー”は最初はボスに負い目があるからこそ逃がし屋稼業に手を貸していたけど、デボラという女性に出会ってから、とにかく2人のために組織を何とか抜けようとする。それを許さない犯罪組織。組織内での対立や、警察に追われる血の逃走劇の中で、2人は無事に生き残れるか、、というのが見ものになっていますが、悪役となる強盗たちの悪っぷりはそこそこなものの、なんか物語が青臭いような気がしてなりませんでした。これがタランティーノだったら、ぶっ飛ぶまでのパンク描写にしてしまうのが、そこまでは行ききれていない。作品としての中途半端感が拭えないかなと感じました。

次回レビュー予定は、「エルネスト」です。

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