『愚行録』:愚行を重ねる人間たちに降りかかる惨劇。ミステリーとして非常に重厚ながら、細かい芸をも着実に入れ込む秀作!

愚行録

「愚行録」を観ました。

評価:★★★★☆

閑静な住宅街で起きた一家惨殺事件。事件の解決を見ずに、1年が経ち、迷宮入りしようとしていた事件の真相を追う週刊誌記者がいた。彼は被害者の田向浩樹が勤めていた大手デベロッパーの同僚たち、妻・友季恵の大学時代の同窓生たちに取材を重ねていった。そこでの証言を積み重ねていくうちに、理想の家族とされた被害者一家の評判とはかけ離れた実像を目の当たりにしていく。。ポーランド国立映画大学で学び、本作で長編監督デビューを飾る石川慶が、貫井徳郎の直木賞候補作を映画化したミステリー。

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『劇場版 列車大行進 日本を駆ける列車たち』:映画館で列車を楽しむのは映像よりも音かもしれない! ただ、映画作品ならではの楽しみが欲しいところ。。

列車大行進

「劇場版 列車大行進 日本を駆ける列車たち」を観ました。

評価:★★

人気鉄道DVDシリーズ『日本列島 列車大行進』の劇場版。今は見ることができない引退した列車から現在活躍する最新の列車まで日本を彩る様々な列車が登場。通勤列車や新幹線、貨物列車、蒸気機関車など8つのカテゴリに分け、それぞれの列車たちの魅力に迫る作品。

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『一週間フレンズ。』:一週間で記憶がなくなってしまう女子高生と育む愛の形。作品に昭和感が感じられるのはいいのか、悪いのか。。

一週間フレンズ。

「一週間フレンズ。」を観ました。

評価:★★

せっかく友達を作ったり、楽しい思い出を育んでも、そのことを次の月曜には忘れてしまう記憶障害を持つ女子高生・藤宮香織。そんな彼女に初めて会った日から心惹かれたクラスメートの長谷祐樹は、何度忘れられても香織に想いを伝え続ける。自分の記憶障害を自覚し、他人に対して閉鎖的だった香織だったが、何度も目の前に現れる祐樹のことを徐々に意識していく。そして、2人は月曜になって、香織の記憶が途切れても、うまく関係が続けれるように交換日記を始めるのだったのだが。。葉月抹茶のベストセラーコミックを川口春奈&山﨑賢人のW主演で映画化。監督は「電車男」「赤い糸」の村上正典。

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『たかが世界の終わり』:死期が迫った若者が久しぶりの帰郷で知るリアル。よくできていることは分かるけど、映画だからこそ希望は見出したい。。

たかが世界の終わり

「たかが世界の終わり」を観ました。

評価:★☆

12年ぶりに故郷に帰ってきた、若手作家のルイ。長く故郷を離れていた彼が突然の帰郷を決めたのは、病魔に侵され、死期が迫っていることを家族に伝えるため。久しぶりの息子の帰郷に、母は彼の好きな料理を用意し、妹は普段より着飾り、兄は普段と変わらない冷静な自分を装っていた。兄には結婚した妻カトリーヌがいて、彼女も初対面となる義弟の帰郷と家族とともに待っていた。やがて、ルイは家族と顔を合わせるが、ぎこちない会話を交わしているうちに、それぞれの胸の内が噴出していく。。。舞台劇『まさに世界の終わり』をグザヴィエ・ドランが映画化し、第69回カンヌ国際映画祭グランプリを獲得したドラマ。第89回アカデミー賞で外国語映画部門カナダ代表作にも選出された作品。

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『皆さま、ごきげんよう』:いつの時代も流れる人間の普遍性を描くイオセリアーニ。本作はちょっと掴みどころがないかな。。

皆さま、ごきげんよう

「皆さま、ごきげんよう」を観ました。

評価:★★☆

いつの時代も闘争と喧騒の中で人々は生きている。時は現代のパリ。アパートの管理人で武器商人の男と骸骨集めが大好きな人類学者は、切っても切れない縁で結ばれた悪友同士。そんな彼らを取り巻くちょっとユニークな住人たち。覗きが趣味の警察署長、ローラースケート強盗団、黙々と家を建てる男、没落貴族、気ままに暮らすホームレス、そしてお構いなしに街を闊歩する野良犬たち。。ある日、街で大掛かりな取り締まりが始まり、ホームレスたちが追いやられてしまうことに。そんな街の緊急事態に人々は立ち上がっていく。。「汽車はふたたび故郷へ」のオタール・イオセリアーニ監督が81歳にして紡ぎ出す人間賛歌。

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