『オリエント急行殺人事件』:アガサクリティーの名作ミステリーを豪華キャストで再映画化。ミステリーとしてはどうかと思う結末だけど、ラグジュアリーな雰囲気は映画館映えする作品!

オリエント急行殺人事件

「オリエント急行殺人事件」を観ました。

評価:★★★

名探偵エルキュール・ポアロの推理は今日も冴える。エルサレムの教会での盗難事件の謎を華麗に解いたポアロは次なる依賴の地に赴くため、ヨーロッパ各地を結ぶ豪華列車オリエント急行に乗り込む。ところが列車がトルコからフランスへ向かう走行中に、客室で男が刺殺される殺人事件が発生する。事件が目の前で起きたことで、ポアロは早速犯人探しに挑むのだが。。名探偵エルキュール・ポアロが、事件の真相に挑むアガサ・クリスティーの傑作ミステリーを、ケネス・ブラナーがメガホンを取り、豪華キャスト共演で再映画化した作品。

小中学生の頃、学校の図書館には必ず推理小説のコーナーがあって、日本人なら江戸川乱歩、海外モノならコナン・ドイルのシャーロット・ホームズと、アガサ・クリスティーのエルキュール・ポアロというのは定番で置いてあったような記憶があります。僕も推理モノを読まなかったわけではないけど、鉄道好きで西村京太郎の十津川警部シリーズ(テレビ版なら、三橋達也と愛川欽也でしょう笑)、あとは赤川次郎の三毛猫ホームズシリーズという、どちらも2時間ドラマの延長という偏った読書方法しかしてこなかったので、ポアロの有名な本作は名前しか知らなかったというのが正直なところです。だから事件の真相を知らずに観ていくと、少し意外なラストで驚きました。でも、どうなんでしょう、、人間ドラマとしてはあのラストはありですけど、ミステリーとしては少々締まりのない(まぁ、殺人は1件しか起きないのでしょうがないですが)ように思うのは気のせいでしょうか。。

ケネス・ブラナー監督モノというと、本人がシェイクスピア俳優という長いキャリアを持っているからか知りませんが、少しキャラクターや世界観を誇張する嫌いがあって、正直あまり好きな監督さんではないのですが、本作は名作古典といわれる推理劇の映画化だけあって、その誇張しがちな部分が少し中世に雰囲気をも残す近現代劇として上手く成立させていると思います。いい言葉が思いつかないのでなんですが、日本でいうところの大正ロマンというか、そういう古きかつラグジュアリーな雰囲気がするので、映画館で少し贅沢なプレミアシートに座りながら観るのに適しているかなと思います。同じ上映回で観られたお客様(たぶん、ミステリー好き)から、原作とイメージが違うとつぶやかれた方がいましたが、それもキャラ立ちさせるために個性的な俳優を起用していることにも起因しているのかと思います。地味になりがちなミステリー劇を、豪華に観ることができるという意味ではインスタ映えならぬ、映画館映えする作品になっています。

次回レビュー予定は、「DESTINY 鎌倉ものがたり」です。

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