『泥棒役者』:舞台劇の面白さが詰まった強盗&勘違いハートフル・コメディ!安定度は高いけど、もう少し意外性のあるドラマが欲しかった。。

泥棒役者

「泥棒役者」を観ました。

評価:★★★

泥棒稼業から足を洗った大貫はじめ。彼は一時期は金庫破りを稼業としていたものの、今は真面目に溶接工として働き、恋人の美沙との幸せな同棲生活を送っていた。しかしある日、彼女との待ち合わせの場で偶然出くわした強盗の元仲間に脅され、元泥棒という過去を彼女にバラされたくなかったら、これから行う豪邸での強盗計画に参加するように強要する。渋々泥棒仲間に協力することにしたはじめは、かつては売れっ子であった絵本作家の豪邸に侵入したところ、無人だと思われていた館にはその絵本作家・前園俊太郎が在宅していた。仲間は何とか見つかる前に隠れたものの、はじめは前園と偶然出くわしてしまう。絶体絶命、、のはずだったが、前園から新しく来た編集者と勘違いされたことを発端に、屋敷で出会う人から次々に別人に勘違いされ、大騒動になっていく。。「小野寺の弟・小野寺の姉」の西田征史監督が2006年に作・演出した舞台を、関ジャニ∞の丸山隆平を主演に迎え映画化した作品。

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『火花』:ピース又吉原作同名小説の映画化作品!お笑いという仕事を選んだ人たちの短く儚い青春の1ページ!

火花

「火花」を観ました。

評価:★★★★

お笑い芸人の道を志した徳永は、中学生の同級生だった山下とスパークスを結成する。しかし、全く芽が出ない。そんなある日、営業先である熱海の花火会場で4歳年上の先輩芸人・神谷と出会う。観客は花火を見上げる芸人としては不利な状況で、神谷と相方・大林のコンビ、あほんだらは観客をコケ脅すという暴挙な笑いを魅せる。そんな神谷の姿に一発で魅了された徳永は、営業後に連れ出された飲みの場で神谷に弟子になりたいと申し出る。神谷は快く了承し、その見返りに自分の伝記を書いてほしいと頼むのだった。徳永は神谷との先輩・後輩の関係になった日々をノートに書き綴っていく。。又吉直樹の第153回芥川賞受賞作を、「月光ノ仮面」の板尾創路の監督・脚本で映画化した作品。共同脚本は、「クローズEXPLODE」監督の豊田利晃。

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『DESTINY 鎌倉ものがたり』:生者と死者の魂が交錯する街・鎌倉で展開するファンタスティック・アドベンチャー。山崎監督の持ち味と役者の演技の巧みさが作品を凄く面白いものにしている!

DESTINY 鎌倉ものがたり

「DESTINY 鎌倉ものがたり」を観ました。

評価:★★★☆

幽霊や物の怪が生息する鎌倉。そして、ここは魔界や黄泉の国の間で、生者と死者が交錯する都でもあった。この地で静かに暮す一色正和は売れっ子になりきれないミステリー作家でありながら、この地で起こる現世人だけでなく、妖怪、幽霊、魔物など様々な人々を巻き込む怪奇事件に対し、警察に捜査の協力をしていた。そんな一色のもとに、歳の離れた若い妻・亜紀子が嫁いでくる。最初は、この不思議な妖気漂う鎌倉の地に慣れなかった亜紀子ではあったが、徐々に一色との鎌倉での生活を楽しめるようになってくる。そんな中、ある大金持ちが殺害される事件が発生する。いつもの通り、一色は警察から捜査協力を求められるが、事件の捜査を進めるうちに、静かだった亜紀子との新婚生活すら徐々に脅かされるようになってくる。。山崎貴が『三丁目の夕日』に続いて、西岸良平のベストセラーコミック『鎌倉物語』を映画化した作品。

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『オリエント急行殺人事件』:アガサクリティーの名作ミステリーを豪華キャストで再映画化。ミステリーとしてはどうかと思う結末だけど、ラグジュアリーな雰囲気は映画館映えする作品!

オリエント急行殺人事件

「オリエント急行殺人事件」を観ました。

評価:★★★

名探偵エルキュール・ポアロの推理は今日も冴える。エルサレムの教会での盗難事件の謎を華麗に解いたポアロは次なる依賴の地に赴くため、ヨーロッパ各地を結ぶ豪華列車オリエント急行に乗り込む。ところが列車がトルコからフランスへ向かう走行中に、客室で男が刺殺される殺人事件が発生する。事件が目の前で起きたことで、ポアロは早速犯人探しに挑むのだが。。名探偵エルキュール・ポアロが、事件の真相に挑むアガサ・クリスティーの傑作ミステリーを、ケネス・ブラナーがメガホンを取り、豪華キャスト共演で再映画化した作品。

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『十年』:香港の人々が描く10年後の世界を5つにまとめたオムニバス作品。メッセージ性は強いと思うが、構成が生真面目かつ暗すぎて陰鬱とした気分になってくる。。

十年

「十年」を観ました。

評価:★★

2025年、香港。労働節の集会会場のある一室。2人の男が銃で 来場者を脅そうと密かに準備を進めている(「エキストラ」)。壊れた建物の壁、街に残された日用品など、黙示録の中の世界になったような香港で、一組の男女が標本を作製している(「冬のセミ」)。タクシー運転手に普通話の試験が課せられ、受からないと香港で仕事ができる場所に制限がかるようになる(「方言」)。ある早朝、英国領事館前で焼身自殺があった。見元もわからず遺書もない。一体誰が何のために行ったのか!?(「焼身自殺者」) 香港最後の養鶏場が閉鎖された。“地元産”と書かれた卵を売るサムは、良くないリストに入っている言葉だと注意を受ける(「地元産の卵」)。製作(2015年)から10年後の香港を見据えた短篇5篇から成るオムニバス映画。中国返還後、一国二制度下で揺れ続ける香港が内包する問題を浮き彫りにしていく。。

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