『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』:重い障害を抱えながらも、夫に支えられながら美しい作品を生み出した一人の女性の物語。これぞアート映画といえる快作!

しあわせの絵の具

「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」を観ました。

評価:★★★★★

カナダ東部の小さな町。町はずれで魚の行商を営むエベレットは一人暮らしの身で、手間のかかる家のことを任せるための家政婦を募集していた。その張り紙を見て応募してきたのは、子どもの頃から重いリウマチを患い、両親が亡き後に、厳格な叔母の家で窮屈に暮らしていたモード・ルイスという女性だった。厄介者で居場所をなくしていたルイスだったが、唯一の楽しみだったのは絵を描くこと。住み込みの家政婦としてエベレットの家で、暮らし始めたモードは仕事である家事の傍ら、小屋の壁に絵を描き始める。ぶっきらぼうなエベレットだが、モードへの優しさは人一倍だった2人はやがて結婚する。そんなある日、ニューヨークから来ていたサンドラは、モードが壁に描いたニワトリの絵を見てその才能を見抜くのだが。。カナダの実在の画家、モード・ルイスの伝記映画。監督は、「荊の城」のアシュリング・ウォルシュ。

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『坂道のアポロン』:あのとき、同じ空間で音楽を奏でた3人の物語。ジャズと映画というのは最高の組み合わせだと、改めて感じる作品!

坂道のアポロン

「坂道のアポロン」を観ました。

評価:★★★

日本語字幕版付き上映にて。

転校先の高校で、札付きの不良と恐れられている千太郎と出会った薫。しかし、ジャズドラムをやっている千太郎と、自分の想いを押し殺し、ピアノで気を紛らわせていた薫は音楽をキッカケに友情をはぐんていくことになる。千太郎の幼馴染で町のレコード屋の娘・迎律子の家の地下室で、ドラムとピアノでセッションに明け暮れる日々。やがて、薫は律子に恋心を抱き始めるが、律子の想いは千太郎にあるのだと知るのだった。そんな切ない三角関係だったが、千太郎と2人で奏でる音楽は最高だった。だがある日突然、千太郎は2人の前から姿を消すのだった。。小玉ユキによる同名コミックを「先生!、、、好きになってもいいですか?」の三木孝浩監督が実写映画化した作品。

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『ハッピーエンド』:豪華な邸宅に住む一家の文字通りな内部崩壊劇。ハネケならもっと突っ込んだ描写が観たかったというのが本音な作品。。

ハッピーエンド

「ハッピーエンド」を観ました。

評価:★★

瀟洒な邸宅で三世代同居しながらも、心はバラバラなブルジョワジーのロラン家。長年建築業を営んできた家長のジョルジュは高齢のため、引退。娘のアンヌが取引先銀行の敏腕弁護士を恋人に、ビジネスでも辣腕を奮っていた。しかし、専務であるアンヌの息子ピエールはビジネスに徹しきれないナイーヴな青年だった。また、アンヌの弟トマは家業を継がずに医師として働き、再婚した若い妻との間には息子のポールが誕生していた。そんな中、トマは離婚のため離れて暮らしていた娘エヴを、一緒に暮らそうと呼び寄せるのだった。豪華な邸宅に住みながらも、夕食時はSNSやメールで個々の鬱憤を晴らすロラン家はゆっくりと崩壊していくのだが。。ミヒャエル・ハネケの下、欧州の実力派俳優競演で綴る愛と死のドラマ。

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『羊の木』:地方の寂れた田舎町に移住してきた6人の元殺人者。作品の狙いと空気感は悪くないが、物語の進行といまいち噛み合っていない。。

羊の木

「羊の木」を観ました。

評価:★★★

さびれた田舎町の魚深市。市役所職員として働く月末一は、この町に新たに移住してくる6名の男女を受け入れるよう命じられる。しかし、受け入れた6人の男女は言動に落ち着きがなく、尋常でない様子。しかも、彼らには必ず不審な同行者が付き添っていた。その異様な様子に違和感を感じた月末は上司を問い詰めたところ、実は新仮釈放制度により自治体が身元引受人となった元殺人犯であることを知る。過疎化が進んでいる町としては、この国家プロジェクトを受け入れなければいけない状況だったが、平穏だった町の日常がゆっくりと狂い始めてくる。。ギャグ漫画の巨匠2人による同名漫画を基にした、「紙の月」の吉田大八監督の人間ドラマ。2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した原作を大きくアレンジした作品。

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『YARN 人生を彩る糸』:ニット編みから様々なアートを生み出す人々を追ったドキュメンタリー。ニットの持つ暖かさがアートをより身近なものにしている。

YARN 人生を彩る糸

「YARN 人生を彩る糸」を観ました。

評価:★★★

糸を編むことを通じて表現する4組のアーティストの活動を追ったクラフト・アート・ドキュメンタリー。全身ニット集団と街を闊歩、糸を使ったパフォーマンスなど、個性的なアーティストたちが、その活動から“YARN”=糸に人生そのものを見出してゆく。メガホンを取ったのは、アニメーターとして活躍し、これが長編初監督となるアイスランド出身のウナ・ローレンツェン。

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