『ハードコア』:一人称目線で全編撮りあげた異色作品!ワンアイディアだけでなく、作品の弱い面も上手くカバーしている!

ハードコア

「ハードコア」を観ました。

評価:★★☆

見慣れない研究施設で目覚めたヘンリー。大事故により身体の一部が損傷していた彼は、妻エステルが機械の手足を装着させ、その修復を行っていた。しかし、その作業中、謎の組織が彼らを襲撃する。エステルの機転で何とか施設を脱出したヘンリーは、さらわれたエステルを救出するため、壮絶な戦いに臨んでいく。。全編にわたり主人公の一人称視点から映されたSFアクション。動作サイトで作成されたFPSのプロモーション画像が話題になり、長編映画化された作品。監督・脚本は本作がデビュー作となるイリヤ・ナイシュラー。

僕はゲームは最近めっきりやらないのですが、この映画を観て、久々にゲームをしたような感覚に陥りました(笑)。古い感覚で申し訳ないのですが、「ドラゴンクエスト」や「ファイナル・ファンタジー」のような2D(俯瞰型)のRPGではなく、「ウィザードリィ」や「女神転生」などの3Dダンジョン(一人称)RPGにやったような感覚です(ここでFPGではないという、、)。こうした一人称視点というのは、過去にも「ロボコップ」や「ターミネーター」など一部のシークエンスで使ってくる映画作品というのはあったのですが、こうした全編そうした視点で語る映画というのは本作が初めてのような気がします。ただゲームでも、映画でもそうなのですが、こうした一人称視点というのはまさに主人公になったような目線を提供してくれる分、どうしてもその主人公が必ず登場するシークエンスしか登場しない作品になってしまいます。しかし、本作ではその分、サブキャラクターであるエステルをやや謎をもったキャラクターにしていることで、うまく伏線付けさせる工夫をしています。

また、もう1つの本作のような映画の不利な面として、視点がシーンに対して常に1点(主人公目線)からのみなので、アクションシーンなど、何が周りで起きているかよく分からなくなってしまうことがあります。でも、本作はその不利な面をどうやって撮ったんだというような驚くような映像シーンの連続で、テンポよく作っていることで乗り切っています。序盤のカーアクションシーンやラストのヘリコプターでの対峙など、本当にとにかく凄い。終盤のビルの上でのアクションシーンも凄いのですが、若干グロくもあるので、僕としてはちょっと引いてしまいました(笑)。単純なワンアイディアで収めるだけでなく、そのアイディアで出てしまう弱さを上手くカバーしていることが好印象な作品でした。

次回レビュー予定は、「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」です。

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