『ゴーストバスターズ』:B級作品調になっている演出は残念だが、旧作キャストと3Dが映画の屋台骨を支える!

ゴーストバスターズ

「ゴーストバスターズ」を観ました。

評価:★★★

IMAX3Dの字幕版にて。

物理学者のエリンはコロンビア大学にて教鞭をとり、苦心しながらも学者のしてのキャリアを積み重ねようとしていた。ちょうどその時、過去の幽霊研究のことが教授陣にバレ、胡散臭いとして大学を追われてしまう。エリンの許可なく、幽霊研究本を出したアビーに詰め寄るエリンだが、よいタイミングで幽霊の調査依頼を受け、その中で待望のゴーストと遭遇する。興奮を抑えきれないエリンたちは、これをきっかけに超常現象の調査会社”ゴーストバスターズ”を設立するのだが。。1984年に大ヒットしたSFコメディの主人公たちを女性に置き換えたリブート版。メガホンを取ったのは「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」のポール・フェイグ。

1984年に公開された「ゴーストバスターズ」は印象的なテーマ曲もあり、アイヴァン・ライトマン監督の代表作として世界中でヒットしました。僕は木曜ロードショーとかで、日本語吹替え版をテレビで何度も観た世代。今回のリブート版もどのような出来に仕上がっているかが非常に楽しみでした。ところで、この作品はもともと1984年版に出演した旧キャスト、スタッフ陣での続編として企画されたものだったのですが、1984年版で学者肌のイゴン博士を演じ、映画監督もキャリアの中で勤めたハロルド・ライミスが2014年に逝去したことで、全く新しいキャスト、スタッフによる作品のリブート版となった経緯があります。それでも旧キャスト陣が作品の要所要所で(役柄は全く違う形で)カメオ出演してくる楽しい作品になったので、1984年版ファンも是非観て欲しい作品になっているのです。あなたは何人みつけられるでしょうか(笑)。

1984年版を無視して、本作を全く新しい作品として観たときには、いわゆるテンポ感はいいものの、女性バスターズのメンバーがギャーギャーと騒ぐのがうるさいB級作品として見られても仕方がない演出になっているのが少々残念なところ。しかし、それを補っているのが、上記しているカメオ出演している旧キャスト陣とプラスして、ここ数年では珍しいくらい3D効果がしっかり効いている作品になっていることでしょう。この作品は本当に3Dで見ることが必須です。冒頭の幽霊調査のところに出てくるゴーストが、観客に向かってヘドロを吐くシーンを皮切りに、1984年版にも出てきた食いしん坊ゴーストが画面一杯に飛び出てくるシーンなど、スクリーンサイズを超えて飛び出てくる3D効果が観客をとにかく巻き込むような楽しい演出になっているのです。スクリーンを見ながら、顔を背けたり、のけぞったりしてしまう3D演出が至るところに出てくる。3Dや4DXなど、映画の内容に絡まないエンタメ要素になってしまう作品が多い中、本作は作品演出の一部になっているところが重要なのです。

女性バスターズのパワフルさもいいですが、彼女らの癒やしでもあり、素っ頓狂でもある受付のケヴィンをクリス・ヘムズワースが楽しく演じているのもいい。3D字幕版の興業がなぜか少ないのは残念ですが、3Dの凄さを久々に楽しめる良作になっています。

次回レビュー予定は、「ミュータント・ニンジャ・タートルズ 影(シャドウズ)」です。

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