『デッドプール』:「X-MEN」のスピンオフだが、、そんなことを意識せずに楽しめる痛快アクション作

デッドプール

「デッドプール」を観ました。

評価:★★★

「アイアンマン」、「マイティ・ソー」などの作品から、「アベンジャーズ」レジェンドを作っているマーヴェル作品群のもう1つのシリーズ作品が、言わずと知れた「X-MEN」。今夏(2016年夏)には、「X-MEN」シリーズの最新作「X-MEN アポカリプス」の公開も控えていますが、たくさんのスピンオフ作品を生み出している「アベンジャーズ」に対抗しようと思ったか、思わなかったか知らないですが、本作「デッドプール」はそんな「X-MEN」シリーズのスピンオフ作品。あまりに過激な描写で速攻にR指定になるものの、全米ではそんなR指定作品ながらも公開週の最高収益を獲得。中国では公開中止になるなどの話題を振りまいている作品でもあります。監督は、「マイティ・ソー ダーク・ワールド」の第二班監督などを経て、本作で長編デビューを飾るティム・ミラー。

話を戻して、マーヴェルの作品の中で、「X-MEN」シリーズが「アベンジャーズ」に加わらなかったのは、作品の色合いが少し違うからかなー(原作コミックでは、X-MENのキャラクターもアベンジャーズに登場)と思っています。映画版の「X-MEN」はやはり第1作を手がけたブライアン・シンガーの味というか、特殊な能力をもったことにより、社会から疎んじられるような存在になってしまったミュータントという暗いイメージがどうしても付きまとうのです。かといって、DCコミックスのスーパーマンやバッドマンのような孤高のダークヒーローにはならない。稀有な存在ではなく、ミュータントという少数民族(マイノリティ)にすることで、現代社会でのマジョリティとマイノリティという構図をより浮き彫りにするのです。

とはいえ、そうした暗いイメージの強い「X-MEN」シリーズにあって、同じくスピンオフになったウルヴァリンの物語より、もっと陽気で明るいキャラクターが本作デッドプールでしょう。オープニングから「007」ばりにアクションシーンからスタート。デッドプールが如何に明るいキャラクターであるかを前面に押し出しつつ、彼のキャラクターができてくるまでを回顧しながら描いていきます。「X-MEN」のスピンオフとはいいつつも、その影響を感じるのはドラマ中に出てくるミュータントスクールの描写と、プロフェッサーXについて会話で触れるくらい。それ以外はアクション全開で楽しむことができます。

R指定になっているのは、敵の殺し方の描写についてだと思うのですが、それも残虐性があるというとは程遠い。「キングスマン」や「キル・ビル」のような、あくまでアクションシーンとしての描き方の1つに過ぎず、そうしたアクションが苦手な僕でも映画として楽しんでみることができました。アクションシーンを中心員、映像は面白いシーンが多いものの、お話が本当に薄っぺらいのが少々気になるところ。また、デッドプールが仮面ライダーのごとく肉体改造される前と後で、なんか性格が180度変わってしまうのも何だか不思議な気がしなくはないですが、、、まぁ、単純に楽しい作品ではあるので観て損はないと思います。

次回レビュー予定は、「高台家の人々」です。

コメントを残す