『ロイヤル・コンセルトヘボウオーケストラがやって来る』:楽団員の話は楽しいが、もう少し裏幕劇のワクワクを感じたい。。

ロイヤル・コンセルトヘボウ

「ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る」を観ました。

評価;★★☆

世界三大フィルの1つであるオランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。歴史ある楽団の創立125周年記念のワールドツアーに密着したドキュメンタリー。単純に楽団のツアー模様を描くだけでなく、世界各地でロイヤル・コンセルトヘボウの楽団員たちと地元の音楽との接点や子供たちの触れ合いを描きつつ、楽団員のインタビューを通して、彼らの音楽感にも迫る作品になっています。

僕は子供の頃、、ではなく、吹奏楽をやっていた若い頃からの夢の1つに、世界三大フィルを生で鑑賞したいというものがあります。趣味に海外旅行どころか、海外にいく願望も微塵もないのですが、このためだけにヨーロッパだけにはいつか(死ぬまでには)行きたいと考えています(もちろん、ツアーでの日本公演とかもあるのですが、やはり地元のいい音で聴きたいですし)。世界三大フィルの1つに数えられる、このロイヤル・コンセルトヘボウですが、僕の中の認識としては二大フィル(ウィーン・フィル、ベルリン・フィル)に比べ、その3つ目に名前があるというのは少し意外でした。この3つ目には各自いろいろな好みがあることでしょう。ロンドン響とか、ニューヨークフィルが僕の中には高いのですが、本作で彼らの音を映画館で堪能し、彼らが作る音楽にも興味を覚えた作品となりました。

ただ、過去に観た同じ三大フィルに数えられるベルリン・フィルによる、「ベルリン・フィルと子どもたち」などの楽団による企画映画化作品に比べると、本作は単なる旅の記録映画に留まっているところが残念。楽団員のインタビューから、等身大の彼らの姿や音楽に対する想いにも触れるものの、それが新しい音楽作品や企画としてつながっていくわけでもないですし、プロフェッショナル論などの仕事に関して拡がりが出てくるわけでもない。やはり旅映画の枠にしかハマってこないのです。

それでも各地のコンサートシーンは圧巻の一言。特に、オランダの地元で運河沿いで行われた野外ライブの模様はよかったですね。一流の音楽がこうした生活の中で密着している姿を見ると、ヨーロッパもいいなと思っちゃうわけです。

次回レビュー予定は、「星ヶ丘ワンダーランド」です。

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