『ボス・ベイビー』:両親の愛情をしっかりと奪ってしまった赤ちゃん、、中身はオッサンだった! スピーディーな物語感はいいが、話が軽すぎて頭に入ってこない。。

ボス・ベイビー

「ボス・ベイビー」を観ました。

評価:★

日本語吹き替え版にて。

パパとママと暮らす7歳のティムは超がつくほどの甘えん坊。両親の愛のもと、すくすくと育った彼の元に新しく弟としてやってきたのは、黒いスーツに白いシャツ、ネクタイをビシッと締め、チャキチャキと歩く赤ちゃん“ボス・ベイビー”だった。両親の愛情がすべて、ボス・ベイビーに集まってしまい、ティムの毎日は欲求不満の固まりになってしまう。しかし、見た目は赤ちゃんの彼だが、実は中身はおっさんだった。。「怪盗グルー」のユニバーサル・スタジオと「シュレック」のドリームワークスが初タッグを組み、絵本『あかちゃん社長がやってきた』にインスパイアされたCGアニメ。監督は、「マダガスカル」シリーズのトム・マクグラス。

「ドラえもん」シリーズの感想文でも書いてきましたが、最近のアニメ映画は特にリズムが早い。素早いリズムのテンポのお話に、ドラえもんならよりコミカルに、コナンだったらよりダイナミックに、しんちゃんだったらより元気よくスクリーンをキャラクターが所狭しと動き回る様に、大山のぶ代世代の僕の目から見ると、世代が違うのかなーと思いつつも、お話がじっくりと頭に入ってこない現実に、この情報量の多さを今の子どもたちが吸収しているのかということと、作品として大事が抜け漏れていることがあるんじゃないかと危惧してしまうところも半々あったりするのです。その中で公開されたドリームワークス・アニメーションとユニバーサルが共同で手がけた本作は、よりテンポの良さが売りな作品になっていますが、その分だけ作品が軽いなーと感じさせる象徴みたいな作品だなと思いました。

話のアイディアとしては、よくある弟、妹ができたら構われなくなってしまう、お兄ちゃん、お姉ちゃん目線の反抗といったところから始まります。そこに、実は赤ちゃん側もある秘密の作戦を帯びていて、最初は反目しあっていた二人が徐々に兄弟として結束していくというところに展開していきます。なので、話としては典型なバディ(兄弟)ムービー。しかし、ややこいのはそこに大人から観た世界と、子どもたちの中で繰り広げる世界観がちと違ったり、ボス・ベイビーというオッサンながらも、ある瞬間には赤ちゃん化してしまう特異な体質な部分とか、スピーディーな話の割には、スッキリと物語を飲み込めない要素も散りばめられていて、何か観ていてスッキリしない。本作の興行はとっても成功していたものの、(失礼ながら)この程度の作品が大きな劇場を専有してしまう悲しさをも感じる作品でした。

次回レビュー予定は、「タリーと私の秘密の時間」です。

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