『デッドプール2』:なんでも悪ノリで乗り切るブラコメヒーローが帰ってきた!前作とはまた違った形に走るデッドプールに映画ファンはきりきり舞いにさせられる!

デッドプール2

「デッドプール2」を観ました。

評価:★★★★

恋人ヴァネッサを取り戻し、お気楽な毎日を送るデッドプール。しかし、そんな彼の前に現れたのは、未来からやってきたマッチョなマシーン人間ケーブル。ヴァネッサから謎の力を秘めた少年を守ることにしたデッドプールは、特殊能力を持つメンバーを集めるのだが。。マーベル・コミック発の異色ヒーローを前作に続きライアン・レイノルズが演じた、「X-MEN」シリーズのスピンオフ。監督はスタントマン出身で「ジョン・ウィック」や「アトミック・ブロンド」を手がけたデヴィッド・リーチ。

全世界的なヒットを飛ばした「ブラックパンサー」や、マーヴェルのアベンジャーズシリーズ最新作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」が登場している中、ヒーローものでは一線を隠す癖の強いヤツも帰ってきました。前作「デッドプール」では「キル・ビル」的な死体産出アクションを満載の悪ノリぶりで世間を騒がせましたが、本作では冒頭ではそういった前作から受け継ぐ味を出すものの、ヴァネッサが殺されてしまうところあたりから作風を一転させるのです。「レディプレーヤーワン」もビックリな80〜90年代の映画、音楽などのサブカルチャーをミックスしたオタクっぷりと、「オースティン・パワーズ」を彷彿とさせるアクションとサブカルパロディをミックスした風態を出してきたから、これは僕にとってはサプライズ。前作と雰囲気が変わっても、持ち前の悪ノリぶりで敵だけでなく、スクリーンのこちら側にいる観客を巻き込んでいくのだから大したものです。

あと、ヒーロー映画としてはマーヴェル作品ながら、「アベンジャーズ」シリーズには組み入れず、「XーMEN」色を前作以上に意識的に出してきます(だって、冒頭のあのヒーローのこけおどしも、エンドクレジットの意欲的過ぎる引用も然り笑)。日本のファンから見ても、ビッグバジェットになってしまった「アベンジャーズ」や、そこへの対立軸を意識しすぎなDCコミックヒーローものに少々お腹いっぱい感があるので、そこに変化を加える一品もの的な位置にいることは成功していると思います。そこに「インフィニティ・ウォー」で悪の親玉サノスを演じるジョシュ・ブローリンを、本作でも悪役となるケーブルを演じさせ、しかもそれをネタにもさせているところなどは抱腹絶倒。この笑いのノリは嫌いじゃないです(笑)

ストーリー的には小ネタ大ネタ合わせてたくさん盛り込んでくる本作ですが、その分だけ若干アクションのスケールが小さくなってしまったのが残念。冒頭のお気軽生活場面はいいのですが、刑務所からの脱走や、ラストの少年を救う場面もアクション空間も狭いし、雑魚の出し方も含め、やや取ってつけた感があるかなと思います。あとはいろんな映画の引用が満載なので、それについてこれるか、、っていうところですかね(笑)。でも、次作も早く観たいと思わせる会心作です。

次回レビュー予定は、「ダウンサイズ」です。

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