『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』:前半部の軽いタッチがすごく気になったが、新キャラも含めて、これが新スター・ウォーズ!後半はオマージュ映像の大量投入で旧作ファンは涙腺が緩むこと必死!!

スター・ウォーズ 最後のジェダイ

「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」を観ました。

評価:★★★☆

字幕版にて。

ようやく伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーとめぐり逢ったレイは、そこで驚くべき真実を知ることになる。ハン・ソロとレイアの息子カイロ・レンは、実はルークの下でジェダイとなるべき修行をしていたとき、ルークの教えに背いて反目していったこと。そして、ダース・ベイダーを受け継ごうとする真の目的をも。ちょうど同じ頃、スター・キラー基地を破壊して意気揚々としていたレジスタンスであったが、帝国軍の思わぬ逆襲に合い、全部隊が崩壊の危機にさらされる。カイロ・レンの死闘から蘇った脱走兵のフィンと、パイロットのポーはハイパースペース空間でも迫りくる帝国軍の追尾を交わすため、敵の追跡装置を破壊できるコードブレイカーを探すのだが。。「スター・ウォーズ」続3部作第2弾。監督・脚本は「LOOPER/ルーパー」のライアン・ジョンソン。

一昨年前の公開となるスター・ウォーズ正史「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の続編となる(ちなみに、昨年の「ローグワン」はサブストーリー)作品。新正史トリロジーの第2弾となる本作は、シリーズファンからすると、前作がハン・ソロの卒業作品ということと、本作のポスターにデカデカとフューチャーされているように、「スター・ウォーズ」EP4〜6の主人公的な役割を担っていたマーク・ハミル演じるルーク・スカイウォーカーの卒業作品ということになっています。前作は久しぶりの「スター・ウォーズ」復活ということで、EP1〜3のルーカス・デジタル劇場からの脱却と、もともとのスター・ウォーズにあったアナロティックな面白さというのがスクリーンに復活してきたことに素直に喜んだのですが、前作ではややお客様的な扱いだったレイ、フィン、ポー、カイロ・レンなどの新しいキャストたちの色合いがより濃くなったというのも、もう1つの大事な要素といえると思います。旧作ファンには、たまらないルークの新しい旅立ちに涙しながら、より新しいスター・ウォーズの形に納得できるかが、本作の評価が分かれるポイントだと思います。

僕ははっきり言って、映画の中盤までは”おいおい大丈夫か、この作品は、、”と思うくらいに、旧来のスター・ウォーズにはない軽いタッチがすごく不安でした。ルークが隠遁生活を送っている星に暮らす、新しいチューバッカの相棒!?になるポーグを始めとし、ボス役で終盤であっさり消えるスノークなど、見た目の印象ほど、物語の中で強く光ってこないキャラクターが多く、かつ特に前半部にコミカルな描写が多く、笑える・楽しめるのはいいのですが、こんなにスター・ウォーズって軽かったっけ?とも思ってしまったのです。それと少しおかしく感じたのが、キャラクター別にストーリーがスピーディーに同時並行で進むのが、かつての旧作のジョージ・ルーカス以来の本シリーズの持ち味ではあるのですが、本作ではその複数進むストーリーで何か時制が一致しないというか、端的に場面を言ってしまうと、一方では戦いが終わりかけているのに、一方では戦い続けているの??という感じで、待ちのような、ズレのようなものを感じるところが少々あるのです。これは旧作含め、前作まであまり感じられなかったので(多少のことかもしれないですが)少し気になってしまいました。

ですが、そんな不安をかき消してくれたのは、中盤から登場する過去の名作を彷彿とさせるオマージュの大量投入。レンとスノークの対決場面はEP6のあの場面だし、敵戦艦内でポーとフィンがコソコソやるのはEP4のあの場面だし、フィンとローズたちがスペースフォースに乗ってレース場を爆走するところはEP1のあそこか、最後の惑星クレイトでの帝国軍との対峙はEP5のあそこを彷彿とするし、、という上げれば切りのないオマージュ映像の洪水に、ファンの涙腺は一気に緩んだところで、ルークが太陽と向かい合うところでもう号泣しましたよ、、はい。もう、この物量投入がないままだったらと思うと、今回の作品は実にシビアな評価になっていたかもしれません。

とはいうものの、僕は旧キャストが次々にいなくなり、次第にファルコン号(今回はあんまり印象に残らなかったし)やXウイングなどもなくなってくるのだろうと思うと、EP6からEP1に戻ったときよりはまた違った感覚の、物語全体の空間を含めて、スター・ウォーズという伝説がもう次の世代に受け継がれようとしていることをヒシヒシと感じました。次はレイアが卒業することになるのでしょうが、僕が気になるのはジェダイという存在が今後どうなるかということ。当初、アレック・ギネスがオビ・ワンを演じたEP4では、西洋でいう騎士道、東洋でいう仙人道などに通じる高貴なものという描かれ方でしたが、今回の描写を見ると、まるでアベンジャーズのインヒューマンのような特殊能力者のような扱いに変わってきたように思います。シリーズの味や物語は変わっていくのは仕方ないですが、その根幹部分は変えてほしくないのですが。。

次回レビュー予定は、「否定と肯定」です。

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